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ものの言い方ひとつで自分も周りも幸せになる大人の心理術
岩井 俊憲
明日香出版社

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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

「涙の力―water power」と言うと、拙著『ものの言い方ひとつで自分も周りも幸せになる大人の心理術』(明日香出版社、1,500円+税)に登場させたエピソードを思い出します。

5歳の男の子は、お母さんとの保育園での別れ際、さめざめと涙を流します。

そのためにお母さんは、別れがせつなくて、子どもを置いて働くことに罪悪感を感じたり、会社にいても「あの子は今頃どうしてるのだろう?」としばしば考えたりしていました。

実際に仕事中に保育園に電話してみると、決まって「元気に遊んでいます」と言われるだけに、別れ際が気がかりでならないのです。

あるカウンセラーに相談すると、「愛情不足です」と指摘され、いたたまれない気持ちになっていました。

このままで行くと、保育園の年長になっても、小学校に入っても涙を流し続けるのではないか、と心配でなりませんでした。

これぞ「涙の力」すなわち“water power”の使い道です。
子どもが涙を流していると、母親は、何らかの心理的影響を受けます。

私は、そんなご相談には、「他のどんな時に涙を流しますか?」と尋ねますが、他の場面ではほとんど涙が見当たりませんでした。

だとすると、5歳の男の子は、保育園での別れ際に涙をうまく使っているのです。

私は、このお母さんに涙が別れの儀式に過ぎないことを解説し、心配ならば、「ダイジョウ・ブ」と、あるしぐさをすることを教えました。

すると、不安が一層され、涙に影響されなくなり、やがて別れ際に涙が使われなくなりました。


それにしても「愛情不足」しか言えないカウンセラー、罪作りだね。本人が「技術不足」なのに気づいているのかしら?


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