アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



アドラーに学ぶ―生きる勇気とは何か
岸見 一郎
アルテ

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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。 

岸見一郎さんの最新著書『アドラーに学ぶ』(アルテ、1,800円+税)を読んでいたら、「信頼(trust)」に関して目が覚めるような定義を目にしました。

信頼するとは、目下起こっていることや、これから起こることについて、未知なことがある時、その知られていないことを主観的に補完することである。
直接の知識、あるいは信じる根拠がある時にだけ信じるのは、「信頼」とはいえない。


信じる根拠がある時にだけ信じるのが「信用」、信じる根拠がなくとも信じるのが「信頼」ということは、SMILE(愛と勇気づけの親子関係セミナー)でも言っています。

しかし、岸見さんの定義は、「目下起こっていること」と「これから起こること」を「既知」と「未知」に区分するので、信頼すべき対象がどんどん広がります。
さらに補完する態度を「客観的」と「主観的」に分けると、客観的に裏付けられないことをも補完するということになり、相当な覚悟がないと信頼が困難であることを示します。

岸見さんは、アドラー心理学の学び方をハウツー・レベルでなく哲学的に教えてくれる人です。

心筋梗塞で死の瀬戸際を体験された岸見さんが問いかける「生きる勇気」が盛り込まれた好著。
他の部分も参考になります。

前著『アドラーを読む』(1,800円+税)と共にお勧めです。

アドラーを読む―共同体感覚の諸相
岸見 一郎
アルテ

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それはそうと、次々と岸見さんの翻訳書と単著を出しているアルテという出版社は、岸見一郎さんという逸材の翻訳・執筆の力を十分に引き出す促進役になってくれています。
この著者と出版社とのコラボ(連携)は相性抜群です。


(注)2冊ともヒューマン・ギルドで在庫しています。ご注文ください。



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