おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
久しぶりに村田昭治先生(慶應義塾大学名誉教授、マーケティング学者)の本を読みました。
『挑むリーダーたちへ―元気がでる話』(財界研究所、1,600円+税)
当たりです!
「元気がでる」のタイトルに偽りなしです。
村田先生は、マーケティング学者でありながら企業のトップと人脈があり、元気が出る話の材料をふんだんにお持ちです。
全体の印象は、経営、マーケティングがどうこうというより、個々のお客様を大切にする「商いの原点」を学び直した思いです。
いろいろ紹介したいのですが、ほんのさわり程度にします。
個々のお客様を大切にすることは、次の記述でも明らかです。
「想い」とは、相手を心で支えると書く。1人ひとりの人間に寄り添って、個と向かい合って、個から気づき、1人ひとりの顧客から価値観を教わり、対応してゆくことがいま、求められている。これこそ企業成長への基本姿勢ではないだろうか。
著者は、「今日という1日は、明日につながる2日分の値打ちを持っている。だから今日を大切にとらえようではないか。元気を出させるキーワードをあげておきたい」として、「元気の10か条」を次のようにまとめています。
①市場の成熟とは、顧客が自分のニーズを語れないこと。だから提案力が大切なのだ。
②“時短”が大切なのは、時間ではなく“成果”をどうあげるかがポイント。新しい芽を生み出す風土づくりを忘れないこと。
③忙しく振る舞ってはいけない。それは人を疲れさせる。充実した仕事ぶりを見せるのだ。自分はどこかで、他人や社会とつながっている。
④会社とは“個性”の集団。“異人”が多いのが面白い。そこにこそクリエーションの芽がある。
⑤人間みんな勝手なことだが、生活がよくなることを“権利”としてみている。それが今の社会だから大変なのだ。
⑥コミュニケーションとは、想いを素敵な言葉に、言葉を行動力にもってゆくことだ。
⑦知識・知恵は判断する力、精神力や根気は実行する力。
⑧もうけるために販売するのではなく、喜び続けてもらうために売るのだ。
⑨書物・友人・芸術・旅すべての生活からインスピレーションを求めよ。学びはどこにも。
⑩人間とは日々自らを確認し新しい自分を創造してゆくもの。日々、脱皮してゆくもの。
咀嚼しながら読んでみると、特に後半は、「商い」を超えて「人間」として元気の素をもらえるようです。
<お目休めコーナー> 松下村塾跡(萩)にて