ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第18回目です。
ここしばらくは、「人生問題の誤った解決」として、問題児、犯罪、神経症、男性的抗議、売春、同性愛に関するアドラーの見解、サディズム、マゾヒズム、フェティシズムのうち問題児、犯罪、神経症、男性的抗議についてお伝えします。
まずは、問題児についてです。
著者は、共同体感覚が人生問題の解決に絶対必要であり、共同体感覚が存在しないと、誤りを犯すことになることを述べた後で、次のように書いています。
アドラーは、正常な人間と異常な人間の間に境界線などひくことはしない。
彼にとって、前者はより小さな誤りをし、後者はより大きな誤りをする(というだけの違いだから)。
つまり、彼は、彼らの小さな失敗を程度の違いとしてしか見ていないというわけである。
これが、人生で部分的に、あるいは、全面的に失敗している人びとに向かってのからの出発点である。
彼は、少しも罪を見つけようとはしない。非難もしない。
彼は、いかにこれらの人びとをりかいすべきか、または、いかに彼らを自らを理解しうるか、我々に教えてくれ、こうして彼らを治療する方法を与えてくれるのである。
さらに著者は、すべての問題児がどちらかの危険にさらされていることを指摘しています。ポイントは、共に共同体感覚が欠けているのですが、受動的か能動的かによる可能性です。
受動的な子どもたち・・・・・神経症になる恐れがある。
能動的な子どもたち・・・・・犯罪に走る。
このくらいにして、次回は「犯罪」をテーマにします。
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