おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
昨日(2月20日)の午前中は、江東区内でエジソン・アインシュタイン・スクール協会主催の講習会で「アドラー心理学による勇気づけの子育て」の講演を行いました。
受講者は、北海道、東北、九州からもお見えでした。
最寄り駅近くには、社会人になっている息子がマンション暮らしをしているので、呼び出し、寿司屋で1時間半ほど昼食・歓談し、彼のマンションにも寄ってきました。
父親と違って部屋をとてもきれいに片付けられる人で、安心しました。
さて、H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第17回目です。
今回は、ライフ・タスク(人生の課題)― 仕事・交友・愛 ― に相当する「3つの人生問題」としての社会的関心(実は「共同体感覚」)、職業、恋愛と結婚のうちの「恋愛と結婚」をテーマにします。
著者は、アドラーの『人生の意味の心理学』の次の引用からこの項を始めます。
「恋愛は、それの完了としての結婚を伴って、異性の相手に対する最も親密な献身であり、その(献身の)ほどは、身体的な魅力、仲間意識、そしてまた子どもを持とうという決心に表現されている。恋愛と結婚が協力の一側面であること、ただ2人だけの福祉のための協力ではなくて、人類の福祉のための協力であることはたやすく見て取れる」
結婚を「人類の福祉のための協力」とするのは、いかにもアドラーらしい、大風呂敷の表現です。私は、アドラーのこういう側面が好きです。
恋愛と結婚に関しては、この本の著者が女性であるためか、他の部分よりも力が入っています。
「恋愛と結婚」を「恋愛」と「結婚」の2つに分けて、著者の記述をそのまま紹介することにしましょう。なかなか美的な表現が用いられていますよ。
1.恋愛について
・恋愛は、1人の人間がもう1人の人間に与えうる、最も美しく、最も高貴で、かつ最も豊かなものである。
・恋愛問題を幸福に解決するための最善の準備は、人の関心を他の人々へと広げることである。
・ある人の愛し方は、その人の全パーソナリティの表現の1つに過ぎない。それは、その人のライフ・スタイルととても密接につながっているから、我々は、その人の恋愛問題からライフ・スタイルに関してある程度の結論を引き出すことができるし、反対に、その人のライフ・スタイルから恋愛関係の種類を当てることもできる。こうして人は、自分自身のライフ・スタイルと相手のライフ・スタイルを理解するようになると、不幸な恋愛と結婚の混乱から出口を初めて見つけることができる。
2.結婚について
・配偶者の身についている特性(注:悪い行儀とかだらしない身なりとか)を変えようとすることは、まったくの無駄である。なぜなら、変えられねばならないのは、ライフ・スタイルだからである。
・夫婦間の割れ目は、一方の家族が、自分たちのことを他方の家族よりも優れていると考えるとき、深くなるものである。
・個人的優越性への欲求は、すべての結婚の幸福を破壊することがある。幸福な結婚のための最も重要な基礎は、自分たちの価値は同じだという、夫と妻双方の考えである。
・人は、「汝自身を知れ」という結婚の座右銘を持つだけでなくて、「他人を理解せよ」という座右銘を持つべきである。いかに多くの結婚の不幸が、人間の心についての無知と誤解とから生じていることか。人間の、承認への欲求を理解する人は、配偶者に劣等感を抱かせるような言動をすべて避けるだろう。
いかがですか? 「恋愛と結婚の名言集」のようになりませんか?
ところで私は、夫婦(カップル・)カウンセリングが最も得意な領域の1つです。
カップルの関係でお困りの方は、ご相談ください。
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