ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第14回目です。
今回は、第2部第3章「劣等コンプレックス」の第6回目で、劣等コンプレックスの3つの源泉 ― 器官劣等性、甘やかし、無視 ― 以外の部分で、この本では、優越コンプレックス、いわゆる“女性の劣等性”、結論について紙面が割かれています。
ここでは、劣等コンプレックスと結論のことに触れて第2部第3章「劣等コンプレックス」の部分を終わることにします。
まず、優越コンプレックスに関して、この本では次のように書かれています。
アドラーは、力への欲求を神経症および犯罪の源泉として取り出し、それが人々を駆って無益な(建設的な)方向へ赴かせるということを指摘した。
優越コンプレックスは、劣等コンプレックスを覆い隠しているのだということが如実に見せられるときにのみ、我々は、こういう力への欲求に取り付かれた人々が決して自分の達成に満足できないことを理解しうるのである。
この第3章では、「劣等コンプレックス」について解説するだけでなく、「結論」では、アドラー心理学が、劣等コンプレックスの予防と治療を示していることを重要視します。
多くの人々は、自分自身の努力で劣等コンプレックスを追い払うことができる。
この目的のための最もよい手段は、コンプレックスの源泉の発見、子ども時代に悪い状況があっても必然的にこのコンプレックスのとりこになるわけではないという認識、誤った人生観の訂正、そして、最後に、より一層の勇気、自信および共同体感覚を発達させる訓練、である。
<お目休めコーナー> 護国寺にて