おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(10月16日)は、家でたっぷり仕事をした日でした。
今日(月曜日)から水曜日までの3日間で私は4つの研修/講演をこなさなければなりません。
それぞれテーマが違います。
とりわけ今日は、まったく違ったジャンルの内容で2つです。
そのためパワーポイントの新規作成と修正にまい進しました。
昨日書き上げた4,000字の原稿は出版社に送りました。
17:00からはらくらく整体で1時間たっぷり体ほぐしをしてもらい、体の保養になりました。
さて最近、あるところから依頼された原稿に英国の経済学者のアルフレッド・マーシャル (1842-1924、J・M・ケインズの師)が1885年にケンブリッジ大学経済学教授の就任講演で残した有名な言葉を紹介しました。
「経済学者は冷静な頭脳と温かい心(Cool Head but Warm Heart)を持たねばならない」
私には、マーシャルの言葉が「勇気」の別の表現のように思えてなりません。
この言葉と関連づけて、次の文章を書きました。
「勇気」の英語の“courage”の語源を調べてみると「ハート」で、体の活力を司る臓器である心臓のほかに「心」を表す意味もあることがわかりました。
私は、アドラーが本の中で断片的に述べている表現や英英辞典での意味 ― リスクを引き受ける能力 ― をもとに「ハート」の語感を活かしながら「勇気」を「困難を克服する活力」と定義しています。
ただ、「勇気」が「勇敢」と違うことを指摘しておきます。
「勇気」がここ一番で冷静さを伴って発揮される活力であるのと比較して、「勇敢」は時に「向こう見ずの大胆さ」をもとに行動してしまうニュアンスがあります。
「勇敢」を示そうとすると、時に暴走し自分だけでなく他者に対しても破壊的な影響をもたらすことが見られます。
それに対して「勇気」は、相手や場に対する関心 ― そのことを心理学では「共感」と呼ぶ ― を忘れずに、冷静な判断に支えながら発揮される、リスクを引き受ける活力です。
経済学者だけでなく、対人支援に関わる人には「冷静な頭脳と温かい心(Cool Head but Warm Heart)」は必須の資質ではないでしょうか?
<お目休めコーナー>10月の花(16)