アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

今日(2月11日)は、ヒューマン・ギルドでアドラー心理学ゼミナール(11:00-13:00)、カウンセリング演習(14:00-17:00)、さらにはカウンセリング(17:15-18:10)を行い、雑務を片付けてから名古屋に来て、明日の公開セミナー(社団法人 日本能率協会 中部地域事業部主催の「メンタルヘルス予防のためのコミュニケーション」)に備えて、名鉄インのホテルにいます。

今日のゼミナールには、感動しました。言葉を失いました。

1つは、ご担当の関谷剛一さんの経営者時代の溢れるようなアイデアに、第2は、ご自身の離婚からアドラー心理学の出合いの物語に。

メモを取ることを忘れ、関谷さんのお話に完全に魅了されました。

このゼミナール

アドラー心理学に出合って人生の覚悟ができた!

―私はなぜ経営者を辞めて、コミュニティ・ビジネス起業、障害者支援を経て、勇気づけのキャリア・カウンセラーを目指すのか?

のことは、私自身大いに期待し、2月4日のブログで予告済みでしたが、期待を大きく上回る内容でした。

関谷さんのお話しは、

業績を上げた銀行員の20歳代
      ↓
イケイケの経営者の30歳代
      ↓
まちづくりに燃えていた40歳代

さらには、「自分がいかに思い上がっていたか」に直面した3年前の離婚

そして、現在目指す「勇気づけのキャリア・カウンセラー」

に入り、

最後には、

「今必要とされるのは、未来を信じる力」

「混乱の向こう側に明るい未来がある」

で結びました。


このブログでは、十分な内容を伝え切れませんが、ご希望の方には、関谷さん作成のレジュメとプロフィールをメールの添付ファイルで差し上げます。

関谷さんよろしいですよね?


<お目休めコーナー> 我が家の花




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ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第14回目です。

今回は、第2部第3章「劣等コンプレックス」の第6回目で、劣等コンプレックスの3つの源泉 ― 器官劣等性、甘やかし、無視 ― 以外の部分で、この本では、優越コンプレックス、いわゆる“女性の劣等性”、結論について紙面が割かれています。

ここでは、劣等コンプレックスと結論のことに触れて第2部第3章「劣等コンプレックス」の部分を終わることにします。

まず、優越コンプレックスに関して、この本では次のように書かれています。

アドラーは、力への欲求を神経症および犯罪の源泉として取り出し、それが人々を駆って無益な(建設的な)方向へ赴かせるということを指摘した。

優越コンプレックスは、劣等コンプレックスを覆い隠しているのだということが如実に見せられるときにのみ、我々は、こういう力への欲求に取り付かれた人々が決して自分の達成に満足できないことを理解しうるのである。


この第3章では、「劣等コンプレックス」について解説するだけでなく、「結論」では、アドラー心理学が、劣等コンプレックスの予防と治療を示していることを重要視します。

多くの人々は、自分自身の努力で劣等コンプレックスを追い払うことができる。

この目的のための最もよい手段は、コンプレックスの源泉の発見、子ども時代に悪い状況があっても必然的にこのコンプレックスのとりこになるわけではないという認識、誤った人生観の訂正、そして、最後に、より一層の勇気、自信および共同体感覚を発達させる訓練、である。


<お目休めコーナー> 護国寺にて


 



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ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

俳優の石波義人さん(1949年2月20日栃木県生まれ)は、私の小学校から中学、高校、大学の後輩で、長らくヒューマン・ギルドの会員。「演劇ワークショップ」や「ヴォイス・トレーニング」などをヒューマン・ギルドでご指導いただいたことがあります。

そのお人柄は、勇気づけに満ちています。

さて、その石波さん、昨年、劇団 昴から劇団 四季に移籍し、ただ今

ミュージカル「クレイジー フォー ユー」

にヒロインの父親(エベレット・ベーカー)役で2月6日から出演しています。

場所は、四季劇場。

公演は、3月20日(土)まで続きます。

チケットは、劇団 四季 予約センター(0120-489444)でお求めください。



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

2月6日(土)、7日(日)は、愛知県一宮市でアドラー心理学ベーシック・コースを行っていました。

とりわけ2月7日は、アルフレッド・アドラー(1870-1937)の誕生日。

誕生日のことは、受講生には、お伝えしていなかったですが、私は、ペルグリーノ博士からいただいたブレザーを着て全力投球していました。

アドラーからの伝統をしっかり受け継いでいる感覚に浸れました。


(写真は、昨年12月16日のブログに使用した写真)

お陰で8人もの方がヒューマン・ギルドの会員に申し込みしてくれました。

受講者の方々、アドラー心理学ベーシック・コースを共催してくれた「勇気づけスペース LUN」の三輪克子さんに心からお礼申し上げます。


さて、H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第13回目です。

今回は、劣等コンプレックスの3つの源泉 ― 器官劣等性、甘やかし、無視 ― のうちの無視をテーマにします。

この本では、無視の内容を次のように書き出しています。

ここで取り上げるのは、劣等コンプレックスへと向かう子どもたちの第3の範疇であって、無視された子どもたち、嫌われた子どもたち、(出生を)望まれなかった子どもたち、そして醜い子どもたちがこれに含まれる。

こういう子どもたちは、その全児童期が絶え間のない屈辱から成り立っているから、ごくたやすく劣等コンプレックスにとらわれることも不思議でない。


ところで、劣等コンプレックスの3つの源泉としての器官劣等性、甘やかし、無視についての私なりのコメントがあります。

それは、器官劣等性を持つか、甘やかされ、あるいは無視されて育った子どもが劣等コンプレックスを持つと決めつけるとしたら、あまりにも原因論的だ、ということです。

あくまで劣等コンプレックスを持ちやすいという可能性であって、器官劣等性を持つか、甘やかされ、あるいは無視されて育った子どもでも、自己決定により建設的に生きる術を学んでいることは、たくさん事例があります。

決めつけは、アドラーが最も嫌うことであります。


<お目休めコーナー> 愛知県江南市の曼荼羅寺(浄土宗)


 



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

株式会社 インターリード 取締役 土屋 邦彦さん(M&Kパートナーズ代表、ヒューマン・ギルド会員)から伺った元気の出る話を紹介します。



日本が高度成長期にあった1973、4年頃、当時日本IBM社にお勤めの土屋さんは、約10年の名古屋での営業から抜擢され、新任の営業課長として意気揚々と上京したのですが、最初の仕事は、よりによって古いユーザーからの解約通知の処理。

当時のIBMの大型コンピューターはレンタルで、返却されると使用料金が入らなくなり、大きな痛手です。

土屋さんは、忘れもしないのですが、1月19日東京は珍しく大雪。客先はIBMから日立製のコンピューターに乗り換える事を既に決定しており、挽回の余地はありませんでした。

重い気持ちで客先に向かうことになりましたが、その時思い出したのは尊敬する上司から教わった言葉でした。

「お客様は永い付き合いになる。良い時も悪い時もある。悪い時こそお客様に感謝してお礼を言うことだよ」

土屋さんは、長い間IBMの機械を使っていただいたことに感謝するお礼状を作成し、解約書とともに持参しました。

土屋さんがお目にかかったのは、当時、客先情報システム室のA室長とB次長でした。

初対面の名刺交換をしながら、「こんな形で、お会いするなんて・・・」と、土屋さんはおそるおそる、解約書とお礼状をお渡ししたところ、お客様は一瞬ビックリした表情を浮かべました。

手続きを終え、会社を出た時に後からB次長が追いかけてきました。

近くの喫茶店でB次長は「長年のIBMユーザーでありお世話になってきたので、どんな罵詈雑言を浴びせられてもと覚悟していたのに、お礼状を頂くなんて考えもしませんでした。分かりました。3年待ってください。きっとIBMに戻しますから・・」とおっしゃいました。

3年後、B次長の言葉どおり、旧ユーザーは本当に日立からIBMに戻ってきました。もちろん、その時の担当営業マンの並々ならぬ努力が功を奏したのですが、土屋さんもささやかですが、密かに貢献したのだと大いに喜びました。

日本IBM㈱で営業および研修を32年間経験し、退職後、㈱TPIジャパンで12年間心理学を基にした” 意識改革/目標達成”プログラムを担当した土屋さん、現在は、株式会社 インターリードの取締役として終始一貫して” 意識改革/目標達成”プログラムに従事。商いの原点が感謝にあることを私に教えてくれました。

私は、土屋さんが講師を務められる第3回意識改革/目標達成(PMVA) 公開講座に申し込み、6月18日(金)~6月19日(土)それぞれ9:00~18:00の受講を楽しみにしています。


<お目休めコーナー> 萩・高杉晋作生家にて

   



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挑むリーダーたちへ―元気がでる話
村田 昭治
財界研究所

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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

久しぶりに村田昭治先生(慶應義塾大学名誉教授、マーケティング学者)の本を読みました。

『挑むリーダーたちへ―元気がでる話』(財界研究所、1,600円+税)

当たりです!

「元気がでる」のタイトルに偽りなしです。

村田先生は、マーケティング学者でありながら企業のトップと人脈があり、元気が出る話の材料をふんだんにお持ちです。

全体の印象は、経営、マーケティングがどうこうというより、個々のお客様を大切にする「商いの原点」を学び直した思いです。

いろいろ紹介したいのですが、ほんのさわり程度にします。

個々のお客様を大切にすることは、次の記述でも明らかです。

「想い」とは、相手を心で支えると書く。1人ひとりの人間に寄り添って、個と向かい合って、個から気づき、1人ひとりの顧客から価値観を教わり、対応してゆくことがいま、求められている。これこそ企業成長への基本姿勢ではないだろうか。

著者は、「今日という1日は、明日につながる2日分の値打ちを持っている。だから今日を大切にとらえようではないか。元気を出させるキーワードをあげておきたい」として、「元気の10か条」を次のようにまとめています。

①市場の成熟とは、顧客が自分のニーズを語れないこと。だから提案力が大切なのだ。

②“時短”が大切なのは、時間ではなく“成果”をどうあげるかがポイント。新しい芽を生み出す風土づくりを忘れないこと。

③忙しく振る舞ってはいけない。それは人を疲れさせる。充実した仕事ぶりを見せるのだ。自分はどこかで、他人や社会とつながっている。

④会社とは“個性”の集団。“異人”が多いのが面白い。そこにこそクリエーションの芽がある。

⑤人間みんな勝手なことだが、生活がよくなることを“権利”としてみている。それが今の社会だから大変なのだ。

⑥コミュニケーションとは、想いを素敵な言葉に、言葉を行動力にもってゆくことだ。

⑦知識・知恵は判断する力、精神力や根気は実行する力。

⑧もうけるために販売するのではなく、喜び続けてもらうために売るのだ。

⑨書物・友人・芸術・旅すべての生活からインスピレーションを求めよ。学びはどこにも。

⑩人間とは日々自らを確認し新しい自分を創造してゆくもの。日々、脱皮してゆくもの。


咀嚼しながら読んでみると、特に後半は、「商い」を超えて「人間」として元気の素をもらえるようです。


<お目休めコーナー> 松下村塾跡(萩)にて

 



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第12回目です。

今回は、劣等コンプレックスの3つの源泉 ― 器官劣等性、甘やかし、無視 ― のうちの甘やかしをテーマにします。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』では、「個人の発達にとって甘やかしはとても有害である」とし、その根拠を甘やかしが「他人に対する関心(注:いわゆる「共感」のこと)の発達を妨げ、それに代えるに自己関心をもってするからである」と書いています。

先に結論を述べてしまえば、甘やかしは、共同体感覚の欠如をもたらします。

ここで、私なりに「甘やかし」の定義をしておきます。

甘やかしとは、子ども自身に体験から学ぶ機会を与えないことで、子どもの自立心と責任感を損なう親や教師などの対応

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』では、別のところ(第3部「個人心理学の実際的応用」の第1章「教育」)で甘やかしを次のように定義しています。

甘やかしという言葉は、アドラーの場合、子どもから自立心を奪うこと、子どもに独力で何かを成就する機会を与えないこと、子どもが自分自身の力を用いるのを妨げること、そして子どもを寄生虫であるように育てること、を意味している。


第2部第3章に戻って、この本の主張にもう少し、耳を傾けてみましょう。

子どもを自分に縛り付けて甘やかすか、それとも「子どもを助けて周囲の世界との接触を作り出させ、それと協力するように教えるのは母親の最も大事な仕事」です。

後者ならばいいのですが、前者のように度重なる甘やかし、そのあらゆる願望の絶え間ない充足は、子どもに次のような結末を招きます。

1.自分はいつでもこういう事態を期待するのだ、という考えを子どもに持たせる。

2.そのあげく子どもは、「私は最も重要な人間であり、私の抱く願望は、ことごとく満たされねばならない」という標語にしたがってそのライフ・スタイルを構成することになる。

3.彼らは、この態度を生涯保持し、代わりに与えることをしないで、他人からあらゆるものを期待するようになる。

甘やかされた子どもが示す兆候は、次のような点です。

   気が短いこと、親に対する抵抗、不安など


甘やかされた子どもたちは、ひとたび障害物が現れると、急に停止してしまいます。なぜなら、諸困難に打ち克つことをちっとも学ばないからです。

上の文章を私なりに補足すると、甘やかされて育った子どもたちは、他者に対する共感能力が低く、自立心と責任感にも欠けているため、自分にライフ・タスク(仕事・交友・愛)上の困難が生ずると、他者の協力を得る方策もなく、立ち尽くすだけになってしまうのです。

ところで、この日本、子どもを甘やかす親や教師が以下に多いことか!


<お目休めコーナー> 萩の藍場川(人工の川)



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

2月11日(木、祝)11:00-13:00のアドラー心理学ゼミナールは、岐阜県多治見市から関谷剛一さん(キャリア・カウンセラー、下の写真右)にお越しいただいて講師をお願いしています。

ご本人のご要望で、次のような長いタイトル(特にサブ・タイトルが)になっています。

アドラー心理学に出合って人生の覚悟ができた!
―私はなぜ経営者を辞めて、コミュニティ・ビジネス起業、障害者支援を経て、勇気づけのキャリア・カウンセラーを目指すのか?

関谷さんの構想では、内容は、次のようになりそうです。

1.経営者時代の話

2.新規事業を作っていた時の話
  (市民タクシー、子育てママの喫茶店、障害者就労支援事業の事例紹介)

3.これからやっていく勇気づけのキャリア・カウンセリング事業について

4.まとめにかえて、社会を変えたいという志、信じることから始める、について


関谷さんは、細やかな配慮をしながら誠心誠意、人に尽くす人です。

そんな関谷さんの感動話であなたも勇気と希望でこころの充電を図りませんか?


日 時:2月11日(木、祝)11:00-13:00

場 所:ヒューマン・ギルド研修室

受講料:2,100円(税込み)

申し込み:ヒューマン・ギルドに電話(03-3235-6741)かメール(info@hgld.co.jp)かインターネット(http://www.hgld.co.jp/ の行事案内)から

アドラー心理学の予備知識のない方でもOKです。


<お目休めコーナー> 札幌雪祭りの大氷像-ハワイのイオラニ宮殿(佐高晶代さんご提供)



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

この2月21日(日)には、私が楽しみにしている催しがあります。

天外伺朗氏が主宰するホロトロピック・ネットワーク主催の

ホロトロピック・ワールド2010
「素に生きる」

です。

昨年は、他の予定と重なり参加できなかったのですが、一昨年3月2日開催のホロトロピック・ワールド2008「スピリチュアリティ」には、しっかりと参加し、3月3日のブログにも同じタイトルで書いています。
http://blog.goo.ne.jp/iwai-humanguild/d/20080303

ヒューマン・ギルドの1月号のニュースレターでも紹介したのですが、改めて次のとおりご案内します。

ホロトロピック・ワールド2010-素に生きる-のご案内 

「生きる」ということを、もう一度根本から考えてみましょう。近代文明の虚飾に惑わされて、私たちはその本質を見失っているかもしれません。生命の尊敬に目覚め、生命の躍動を楽しみ、宇宙と調和する生き方を探ります。

日程:2月21日(日)開場11:00、開演12:00~18:30 

場所:浜離宮朝日小ホール
(朝日新聞社新館2階、東京 大江戸線築地市場駅下車A2 出口すぐ)

講演者:
  天外伺朗さん「生命が躍動する生き方とは」
  中健次郎さん「返朴帰真(素朴さと真実に帰る)」
  白石豊さん 「ヨーガに学ぶメンタルトレーニング」
  上田紀行さん「生きる意味を取り戻す」

ピアノ演奏:ウォン・ウィンツァンさん

参加費:
  講演会前売 一般5,000円、会員3,000円
  当日 一般5,500円、会員3,500円

◎申し込み時に事務局長の早川英子さんに「ヒューマン・ギルドの会員」であることを名乗ると、早川さんの同伴扱いで4,000円にしてくださるようご配慮を賜りました。
    
お申し込み:お問い合わせ「ホロトロピック・ネットワーク」事務局
  電話03-5465-0778 FAX03-5465-0779 Email:info@holotropic-net.org

ホームページ: http://www.holotropic-net.org/event/index.html


内容に対して参加費が超格安です。

<久しぶりのお目休めコーナー> 萩の菊屋家住宅にて

 



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心の雨の日の過ごし方
岩井 俊憲
PHP研究所

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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

私の最新著『心の雨の日の過ごし方―失意の時こそ、人生味わい深くなる』(PHP研究所、1,300円+税)が社団法人 日本能率協会発行のJMA『マネジメントレビュー』誌2月号の「New Books」欄で紹介されました。

これで、月刊誌の中では『第三文明』『児童心理』に続いて3つ目になります。

内容の一部でしかありませんが、

「変えられないことと変えられることを見きわめよう」など5つの知恵を提案したり、読み応えは十分。

とし、最後に次のように書いていただいています。

まずは「陰の時(雨の日)」に直面している人にお薦めしたい。が、自身が陽の時にあると感じている人にこそ薦めるべき内容かもしれない。

とのお薦めで結んでいます。

JMA『マネジメントレビュー』誌の編集長、大和佐智子さんのご厚意によるご紹介です。

大和さん、ありがとうございました。


『心の雨の日の過ごし方―失意の時こそ、人生味わい深くなる』をまだお読みでない方は、この機会にお読みくださいね。



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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズ、今回は第11回目です。

まずは、劣等性、劣等感、劣等コンプレックスについて定義をしておきます。
最もわかりやすい定義は、『アドラー心理学教科書』(ヒューマン・ギルド出版部)にある定義です。


劣等性・・・・・生活上不利に機能する客観的な属性

劣等感・・・・・主観的に、自分の何らかの属性を劣等であると感じること。主観的な感覚。

劣等コンプレックス・・・・・ライフ・タスク(人生の課題)への対処を避ける口実として劣等感を使うこと


ところで、今回のテーマは、劣等コンプレックスの3つの源泉 ― 器官劣等性、甘やかし、無視 ― のうちの器官劣等性をテーマにします。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』では、アドラーの著書『器官劣等性とその心理的補償に関する研究』をもとに器官劣等性について14ページを割いています。

アドラーがこしらえた「器官劣等性」という概念は、「形態的な障害のみならず、機能的な障害もまた、病気あるいはその異常な経過の原因になる」と推定し、「この種の損傷あるいは欠陥のすべて」に及びます。

アドラーは、器官に劣等性がある場合、同じ器官あるいは他の器官がその機能的な障害を補償することだけに留まらず、器官劣等性の補償が心にも起こりうることを洞察しました。

つまり、器官劣等性と心的経験の間には、緊密なつながりがあることを全体性と統一性の見地から、人を観察した結果、おびただしい症例をもって指摘したのです。

この本では、器官劣等性を心の側面から補償した例として、次のような人たちをあげています。

文学者・・・・・ホーマー(盲目)、ミルトン(失明)、ゲーテ(耳の過敏性と長患いの後の強いめまい感)

音楽家・・・・・ベートーヴェン(耳硬化症)、スメタナ(聾)、ロベルト・フランツ(聾)

政治家(雄弁家)・・・・・デモステネス(どもり)


さらには、この本では、「劣等性が有害な結果をもたらすか否かを決定するのはライフ・スタイルである」とし、この項の最後で次のように書いています。

やや長いのですが、引用しておきます。

ここでわかることは、我々が何を携えてこの世に生まれてくるかということは、そんなに重要ではなくて、携えてきたものをどう使用するかが重要だ、ということである。

ある器官劣等性が劣等感を強め、個人の全態度に影響を及ぼして劣等コンプレックスを引き起こしうるということ、あるいは、芸術家や大人物で示されるように、器官劣等性が補償されて、最高の業績に導かれるということを、我々はどのように説明することができようか?

アドラーの意見はこうである。それはことごとく、他の人々に対する関心がいかに強く幼年時代に発達されたかに依存する、と。他の人々に対する関心が児童初期に発達させられなかった人の場合にのみ、器官劣等性が劣等コンプレックスへ導かれることになるのである。


注釈を加えれば、「他の人々に対する関心」というのは、いわゆる「共感」のことで、児童初期に共感の訓練をしていないと、器官劣等性が劣等コンプレックスへ導かれることになる、と書いているのです。



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