TV番組の中で、「蛾」と「蝶」の話をしていました。「ちょう」に対して「が」と言うネーミングは、あまりにも悪意が感じられるというのですね。
だから、「蛾」は、もっと、良い響きの名前にすべきだというご意見なのです・・・・我が家の庭に舞う「蝶」を見ながら、妙に納得していました。
7月24日午後6時30分、同級生遊び仲間のお通夜に参列しました。
会場の入口に、彼がお気に入りだった「ハーレーダビッドソン」が参列者を迎えるように、展示されていました。
彼と親しかった同級生仲間の話では、まだ元気だった3年ぐらい前に、北海道へのツーリングをしたというのです。
それを聞いて、なんとな~く、「良かった」と、変な安心をしました。
で、その「ハーレー」の傍らに、寄せ書きの色紙が・・・えっ、あれは、あの色紙?・・・と目を凝らしますが、よく、見えません。
傍にいた仲間達に見て貰うと、そうでした、去年かその前の新年会の時、参加できない彼への励ましの(というより、参加を請うような)コメントを、皆で、書いたものだったのです。
翌日、皆で書いた色紙を、彼に渡すべきかどうか、多分、半日くらい悩んだのを思い出しました。
こんな子供じみた事を、彼は笑うだろうか・・・いや、それより、よけいなお節介だと気分を害するだろうか・・・でも、皆の呼びかけに力を得て貰えるかも・・・とか、悩みに悩みました。
意を決して、彼に届けた時、彼は、色紙をちらっとだけ見て、脇に置いたのです。
帰り際に、私は「ジャマになったら、捨てても構わないからね」と言って、そこを辞しました。
その色紙が、飾られていたのです。
私は、根性が曲がっていますから、「なにか、ここらあたりに飾るものはないかしら」といって、偶々あった、この色紙を飾ったのかも・・・とも思ったりするんです。
それにしても、彼は、この色紙を捨てないでいたんだ・・・という事に、思わず、涙が込み上げてしまうのです(勿論、何事も感じないフリをしてますが・・・)。
悲しいだけではありません、すご~く、嬉しかったのですね。
彼の闘病生活に、我々は、何の手助けも出来ないのは明白であり、その上、最近では、会う事も拒否されていたから、全く、何の情報も伝わってこなかったのです。
事実は分かりません。
でも、もし、この寄せ書きで、少しでも、彼が癒された時間を持っていてくれたならば、私たちにも、出来る事があったと思えるのですね。
お通夜の終わった後、我ら同級生仲間は、近所の小料理店で食事をとりました(用意された食事でなく、別の場所で、それぞれが自腹です)。
私は、当然の事ながら、ビールを数本、頂きました。
この色紙の話をしたいと思っていましたが、誰かが言った一言に(悪気があって言ったわけではないと思うけれど・・・)、がつんと一発喰らったような(私にしては珍しく)落ち込んだ気分になってしまい、後は黙って飲むだけで・・・結果、悪酔いしてしまったのです。
7月25日は、お葬儀ですが、全く、起き上がる事が出来ませんので、失礼をさせて貰いました。
どうやら、気分が持ち直したのは、もう、今日の終りが近づいている頃だったのです・・・またも、反省するだけの反省をしています。
一生懸命に水を吸っている(ですよね?)蝶を、しばらく、じっと、眺めていました。ホント、忙しそうで・・・