○永青文庫 財団創立55年記念 特別公開『永青文庫の国宝』
http://www.eiseibunko.com/
神田川沿いから目白台に上がる細い坂の途中にある。この坂は何度か通ったことがあるはずだが、永青文庫を訪ねるのは初めてだった。門をくぐると、背の高い雑木林だけが目につく。台風でいくぶん葉の落ちた木陰に身をひそめるように、古さびた文庫の建物があった。薄曇りの天候のせいもあって、全く異空間に迷い込んだように思った。受付に現れた人物がにゃあとか鳴いても驚かなかっただろう。
旧細川公爵家の家政所(事務所)として昭和初期に建設されたという建物の内部は、木枠の展示棚と言い、展示と全く無関係な書棚や暖炉と言い、映画のセットに迷い込んだようで楽しかった。
展示品の数は多くないが、国宝8件(展示替えのため、一度に見られるのは7件)をはじめ、なかなか名品揃いである。日本刀、中国陶器、能面、三彩俑、近代日本画など、さまざまなものが雑多にあるのは個人コレクションらしくて面白い。
いちばん気に入ったのは「金銀錯狩猟文鏡」。永青文庫のホームページに写真があるが、実物はもっと金色が鮮やかである。中国・戦国時代の考古文物らしいが、こんなモダンで美しい銅鏡は見たことがない。解説カードには「騎馬人物の写実性に注目」とか何とかあったが、むしろ、何だか分からない金色の渦巻き模様が、クリムトを思わせる。
あとは、こんなものがあるとは思ってもいなかった、渋川春海由来の天球儀。球面に鋲(びよう)を留めて星を表している。
それから、3階の展示室に常設で置かれているらしい、大きな中国家具。「乾隆御座」ってあったのは、何か由来があるのかしら。気になる。
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神田川沿いから目白台に上がる細い坂の途中にある。この坂は何度か通ったことがあるはずだが、永青文庫を訪ねるのは初めてだった。門をくぐると、背の高い雑木林だけが目につく。台風でいくぶん葉の落ちた木陰に身をひそめるように、古さびた文庫の建物があった。薄曇りの天候のせいもあって、全く異空間に迷い込んだように思った。受付に現れた人物がにゃあとか鳴いても驚かなかっただろう。
旧細川公爵家の家政所(事務所)として昭和初期に建設されたという建物の内部は、木枠の展示棚と言い、展示と全く無関係な書棚や暖炉と言い、映画のセットに迷い込んだようで楽しかった。
展示品の数は多くないが、国宝8件(展示替えのため、一度に見られるのは7件)をはじめ、なかなか名品揃いである。日本刀、中国陶器、能面、三彩俑、近代日本画など、さまざまなものが雑多にあるのは個人コレクションらしくて面白い。
いちばん気に入ったのは「金銀錯狩猟文鏡」。永青文庫のホームページに写真があるが、実物はもっと金色が鮮やかである。中国・戦国時代の考古文物らしいが、こんなモダンで美しい銅鏡は見たことがない。解説カードには「騎馬人物の写実性に注目」とか何とかあったが、むしろ、何だか分からない金色の渦巻き模様が、クリムトを思わせる。
あとは、こんなものがあるとは思ってもいなかった、渋川春海由来の天球儀。球面に鋲(びよう)を留めて星を表している。
それから、3階の展示室に常設で置かれているらしい、大きな中国家具。「乾隆御座」ってあったのは、何か由来があるのかしら。気になる。