○神奈川県立歴史博物館 特別展『湘南の古刹 神武寺の遺宝』
http://ch.kanagawa-museum.jp/
私は2001年~2002年の間、逗子に住んでいたので、鎌倉や三浦半島の名所旧跡は、ずいぶん回った。しかし、東逗子の神武寺へはついに行かず仕舞いに終わってしまった。展示された写真パネルを見ると、四季の自然も美しく、山岳寺院の趣きを残す伽藍配置を眺めるだけでも楽しめそうである。近日、紅葉の色づく頃になったら足を運んでみたい。
展示品のうち、宋風の装飾的な十一面観音坐像は、鎌倉国宝館で何度も見たお姿である。小ぶりな阿弥陀如来坐像は、確か平安期の作とあり、こんな古いものも持っているのかとびっくりした(博物館のサイトに展示リストがないので記憶による)。そのほかの仏像は近世の作が中心だが、全体に作風が古様で、質がいい。代表格は十二神将。伝統の意匠に対する忠実さは、天台寺院らしいと言えるかもしれない。初めて見る木彫りの三猿坐像は抜群にかわいらしかった。
仏画では、鎌倉末期の大威徳明王図があり、これも鎌倉国宝館で見ていると思う。すっかり黒ずんで描線が定かでない状態だが、江戸期の摸本が並べられており、なかなかよかった。迫力があって、豪快だが品がある。
しかし、やはり最大の寺宝は薬師三尊像だろう。33年に1度しか見せない「秘仏」だというから、今回、大型の写真パネルを出してくれただけでも良しとしなけれなならない。次回のご開帳は2017年だそうだ。へんな商売気を起こして中開帳などせず、13年後までのんびり待ってみたいものだ。
http://ch.kanagawa-museum.jp/
私は2001年~2002年の間、逗子に住んでいたので、鎌倉や三浦半島の名所旧跡は、ずいぶん回った。しかし、東逗子の神武寺へはついに行かず仕舞いに終わってしまった。展示された写真パネルを見ると、四季の自然も美しく、山岳寺院の趣きを残す伽藍配置を眺めるだけでも楽しめそうである。近日、紅葉の色づく頃になったら足を運んでみたい。
展示品のうち、宋風の装飾的な十一面観音坐像は、鎌倉国宝館で何度も見たお姿である。小ぶりな阿弥陀如来坐像は、確か平安期の作とあり、こんな古いものも持っているのかとびっくりした(博物館のサイトに展示リストがないので記憶による)。そのほかの仏像は近世の作が中心だが、全体に作風が古様で、質がいい。代表格は十二神将。伝統の意匠に対する忠実さは、天台寺院らしいと言えるかもしれない。初めて見る木彫りの三猿坐像は抜群にかわいらしかった。
仏画では、鎌倉末期の大威徳明王図があり、これも鎌倉国宝館で見ていると思う。すっかり黒ずんで描線が定かでない状態だが、江戸期の摸本が並べられており、なかなかよかった。迫力があって、豪快だが品がある。
しかし、やはり最大の寺宝は薬師三尊像だろう。33年に1度しか見せない「秘仏」だというから、今回、大型の写真パネルを出してくれただけでも良しとしなけれなならない。次回のご開帳は2017年だそうだ。へんな商売気を起こして中開帳などせず、13年後までのんびり待ってみたいものだ。