○東京国立博物館 特集陳列『中国書画精華』
http://www.tnm.jp/
東京国立博物館の東洋館では、中国書画の名品展が開かれている。「中国国宝展」と客層が重なりそうなものだが、こちらの会場に足を向ける参観者は少ない。まあ、かくいう私も、これが恒例企画であることは、この秋、初めて知ったのだが。
展示品のラインナップは、めちゃくちゃ贅沢である。1日眺めていても飽きないような名品が目白押し。超高級中華料理のテーブルに着くようで、初めから満腹気分だ。特に前期は南宋絵画がてんこ盛りである(後期は時代が下って、元~明が中心)。
この春、根津美術館で行われた特別展「南宋絵画」は、どこにこれだけの中国絵画ファンがいたのかと驚くような盛況だった。あの会場では、人の流れを気にしながらしか見ることのできなかった同じ作品を、ここでは好きなだけ、独り占めすることができる。
李迪の「紅白芙蓉図」や宋汝志の「雛雀図」など明るい彩色の小品、梁楷の「李白吟行図」みたいに線のはっきりした作品は、さほど印象に差がない。だが、梁楷の「雪景山水図」は、根津美術館で見たときは、周囲のざわざわした雰囲気に気が散って、あまり感銘を受けなかったが、今回、あらためて好きになった。沈黙の中で向き合うと、(深い雪の日みたいに)絵の中から幽かな音が聞こえてくるような作品である。画像はこちら↓
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=D01&processId=01&colid=TA141
李氏筆「瀟湘臥遊図巻」は、図巻を初めから終わりまで大様に広げてあるのがうれしい。絵とともに旧蔵者の書き込みを楽しむことができる。
「中国国宝展」とあわせておすすめ。後期にもう1回行こうと思っているので、混雑するのはありがたくないが、今の状況はもったいなあ。
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東京国立博物館の東洋館では、中国書画の名品展が開かれている。「中国国宝展」と客層が重なりそうなものだが、こちらの会場に足を向ける参観者は少ない。まあ、かくいう私も、これが恒例企画であることは、この秋、初めて知ったのだが。
展示品のラインナップは、めちゃくちゃ贅沢である。1日眺めていても飽きないような名品が目白押し。超高級中華料理のテーブルに着くようで、初めから満腹気分だ。特に前期は南宋絵画がてんこ盛りである(後期は時代が下って、元~明が中心)。
この春、根津美術館で行われた特別展「南宋絵画」は、どこにこれだけの中国絵画ファンがいたのかと驚くような盛況だった。あの会場では、人の流れを気にしながらしか見ることのできなかった同じ作品を、ここでは好きなだけ、独り占めすることができる。
李迪の「紅白芙蓉図」や宋汝志の「雛雀図」など明るい彩色の小品、梁楷の「李白吟行図」みたいに線のはっきりした作品は、さほど印象に差がない。だが、梁楷の「雪景山水図」は、根津美術館で見たときは、周囲のざわざわした雰囲気に気が散って、あまり感銘を受けなかったが、今回、あらためて好きになった。沈黙の中で向き合うと、(深い雪の日みたいに)絵の中から幽かな音が聞こえてくるような作品である。画像はこちら↓
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=D01&processId=01&colid=TA141
李氏筆「瀟湘臥遊図巻」は、図巻を初めから終わりまで大様に広げてあるのがうれしい。絵とともに旧蔵者の書き込みを楽しむことができる。
「中国国宝展」とあわせておすすめ。後期にもう1回行こうと思っているので、混雑するのはありがたくないが、今の状況はもったいなあ。