○九州国立博物館
『草原の王朝 契丹』展といっしょに見てきたもの。
■トピック展示『九州大学百年の宝物』(2011年11月15日~12月18日)
1911年(明治44年)に創設された九州大学の百周年を記念する展示会。文化交流展示室(平常展示)第11室では、古地図など主に人文社会科学系の資料、1階ミュージアムホール・エントランス(入場無料)では、自然科学系の資料が見られる。前者に含まれる仙義梵の書画は、医学部名誉教授の中山森彦博士が蒐集したものだという。鉱山学の関連書がめずらしく、面白かった。山相を見定める山師という職業があったのだな…。後者は、ずらり並んだ鉱物や昆虫の標本が壮観。人間の頭蓋骨もあり。
■トピック展示 京都・檀王法林寺開創400年記念『琉球と袋中上人展-エイサーの起源をたどる-』(2011年11月1日~12月11日)
文化交流展示室(平常展示)第9、10室。袋中(たいちゅう)は、慶長8年(1603)琉球に渡って浄土教の教えをひろめた人物。袋中が伝えた念仏は、沖縄の伝統芸能エイサーのなかに、念仏歌として受け継がれている。その袋中ゆかりの京都・檀王法林寺の宝物を展示。もしや、と思ったけど『熊野権現影向図』を見つけたときは、笑ってしまった。2009年に和歌山県立博物館の『熊野三山の至宝』展を見にいったとき、大きな写真パネルになっていたのが印象的で、いつかホンモノが見たい、と思っていたのだ。実物の画幅は意外と小さい。しかし、湧き上がる雲の上に現れた熊野権現の巨大さは、地上に描かれた小さな朱塗りの社や、豆粒のような人間から想像することができる。和歌山で知った図像に九州で出会うというのも不思議な巡り合わせだが、画賛は臨済僧の南山士雲が博多の承天寺に滞在していたときのものだというから、全く九州に縁がないわけではない。
『波濤飛龍図前掛け』は、祇園祭の黒主山で1989年まで使われていた。文化年間に檀王法林寺から黒主山に送られたもので、中国の繊維であり(そんなことが分かるのか)、もとは婦人の官服だったという。
■その他の平常展示 『埴輪・石人石馬・装飾古墳~にぎやかだった古墳のまつり~』
石人石馬とは、日本の古墳に埴輪(はにわ)のように置かれた石造彫刻。鳥取の1例を除き、福岡・熊本・大分3県に見られる。中国とは無関係らしい。しかし、突然消え失せ、入れ替わりに装飾古墳と埴輪が登場する。埴輪は少数だが韓国でも発見されている。初めて知ったことが多く、いろいろ想像を刺激されて、面白かった。
※おまけ:九博レストラン「グリーンハウス」、『契丹』展にちなんだ限定メニュー、プリンセスランチで遅めの昼食。さすがクオリティが高い。美味、美味。
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『草原の王朝 契丹』展といっしょに見てきたもの。
■トピック展示『九州大学百年の宝物』(2011年11月15日~12月18日)
1911年(明治44年)に創設された九州大学の百周年を記念する展示会。文化交流展示室(平常展示)第11室では、古地図など主に人文社会科学系の資料、1階ミュージアムホール・エントランス(入場無料)では、自然科学系の資料が見られる。前者に含まれる仙義梵の書画は、医学部名誉教授の中山森彦博士が蒐集したものだという。鉱山学の関連書がめずらしく、面白かった。山相を見定める山師という職業があったのだな…。後者は、ずらり並んだ鉱物や昆虫の標本が壮観。人間の頭蓋骨もあり。
■トピック展示 京都・檀王法林寺開創400年記念『琉球と袋中上人展-エイサーの起源をたどる-』(2011年11月1日~12月11日)
文化交流展示室(平常展示)第9、10室。袋中(たいちゅう)は、慶長8年(1603)琉球に渡って浄土教の教えをひろめた人物。袋中が伝えた念仏は、沖縄の伝統芸能エイサーのなかに、念仏歌として受け継がれている。その袋中ゆかりの京都・檀王法林寺の宝物を展示。もしや、と思ったけど『熊野権現影向図』を見つけたときは、笑ってしまった。2009年に和歌山県立博物館の『熊野三山の至宝』展を見にいったとき、大きな写真パネルになっていたのが印象的で、いつかホンモノが見たい、と思っていたのだ。実物の画幅は意外と小さい。しかし、湧き上がる雲の上に現れた熊野権現の巨大さは、地上に描かれた小さな朱塗りの社や、豆粒のような人間から想像することができる。和歌山で知った図像に九州で出会うというのも不思議な巡り合わせだが、画賛は臨済僧の南山士雲が博多の承天寺に滞在していたときのものだというから、全く九州に縁がないわけではない。
『波濤飛龍図前掛け』は、祇園祭の黒主山で1989年まで使われていた。文化年間に檀王法林寺から黒主山に送られたもので、中国の繊維であり(そんなことが分かるのか)、もとは婦人の官服だったという。
■その他の平常展示 『埴輪・石人石馬・装飾古墳~にぎやかだった古墳のまつり~』
石人石馬とは、日本の古墳に埴輪(はにわ)のように置かれた石造彫刻。鳥取の1例を除き、福岡・熊本・大分3県に見られる。中国とは無関係らしい。しかし、突然消え失せ、入れ替わりに装飾古墳と埴輪が登場する。埴輪は少数だが韓国でも発見されている。初めて知ったことが多く、いろいろ想像を刺激されて、面白かった。
※おまけ:九博レストラン「グリーンハウス」、『契丹』展にちなんだ限定メニュー、プリンセスランチで遅めの昼食。さすがクオリティが高い。美味、美味。
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