〇極楽寺(神奈川県鎌倉市)釈迦如来特別御開扉と忍性塔公開
東京に戻って1年、カレンダーを見たら、4月8日が日曜日に当たっていることに気づいた。久しぶりに鎌倉・極楽寺の清涼寺式釈迦如来の開扉と忍性上人の墓(忍性塔)を拝みに行ってみることにした。極楽寺の参道は、例年なら桜の花盛りの時期だが、今年は若葉のトンネルになっていた。
宝物館は非常に混雑していて、係員のおじさんが「少しずつお進みください」と、時々声をかけていた。秘仏の釈迦如来像は、相変わらず若々しくて、弓形の眉、切れ長の目元がイケメンである。本家(?)清凉寺の釈迦如来より人間味のあるお顔をしていると思う。瑞雲が湧き上がるような光背にちょうど光が当たり、きらきら金色に光って美しかった。転法輪印(説法印)の釈迦如来坐像も好きな仏様である。前回は、奈良博の『忍性』展でお会いしている。双子のようによく似た仏様(の阿弥陀如来坐像)が九州から来ていらしたことを思い出した。小さな十大弟子立像(鎌倉時代)も面白い。歯をむき出した口元をしっかり作っている。
本堂の前には、花まつりの花御堂が置かれていた。列に並んで、小さな誕生釈迦に甘茶をかける。極楽寺の境内は全面的に撮影禁止のため、写真は自粛。
本堂の脇を通り抜けて裏道に出る。ここから左へ向かうと忍性塔なのだが、その案内板が新しくなっていた。と言っても、私が前回来たのは2012年だから、いつ変わったのか分からないが…。境内も忍性塔も撮影ができないので、いつもこの案内板の写真だけ撮って、記念にしているのである。

しばらく住宅街を歩き、グラウンド(軟式野球をしていた)脇のだらだら坂を登っていくと、開け放たれた門扉が現れる。おじさんが「どうぞ」と招き入れてくれる。ちなみに門扉に取り付けられた案内板は、昔のスタイルだった。

さらに坂を登ると、杉木立に囲まれた平地に出る。緑の垣根で仕切られた一角に忍性塔が建てられている。忍性塔は357センチメートルの石造五輪塔で、とにかくデカい。大きいと分かっていても、あらためて呆れてしまう。私が着いたのは午後1時過ぎで、石塔の前で法会が行われていた。前回来たときも、同じ状況だったことを思い出す。ひとまず参拝者の列に並んで折り目正しくお焼香する。しばらく読経の声を聞きながら待っていたら、やがて法会が終わって、石塔のまわりに入れてくれた。警備の方が先に入って、お坊さんたちが撒いていた散華を拾い集め、参拝客に分けてくれた。「財布や箪笥に入れておくとお守りになりますよ」とのこと。石塔の裏側では、シャガの花が盛りだった。
忍性さんは、むかしから好きなお坊さんだったが、奈良博の展覧会で、詳しく生涯を(筑波山のふもとに滞在したことがあるとか)知って以来、一層、親しみを感じるようになった。極楽寺の裏手まで戻ってきたとき、鎌倉在住の友人とばったり会ってしまったのは奇遇。
このあと、鎌倉国宝館に寄ったことは別稿で。さらに海蔵寺にも寄ったのだけど、海棠の古木は、すっかり樹勢が衰えた感じだった。いつまで花をつけてくれるかなあ。最後に海蔵寺の新しげな花御堂を。

東京に戻って1年、カレンダーを見たら、4月8日が日曜日に当たっていることに気づいた。久しぶりに鎌倉・極楽寺の清涼寺式釈迦如来の開扉と忍性上人の墓(忍性塔)を拝みに行ってみることにした。極楽寺の参道は、例年なら桜の花盛りの時期だが、今年は若葉のトンネルになっていた。
宝物館は非常に混雑していて、係員のおじさんが「少しずつお進みください」と、時々声をかけていた。秘仏の釈迦如来像は、相変わらず若々しくて、弓形の眉、切れ長の目元がイケメンである。本家(?)清凉寺の釈迦如来より人間味のあるお顔をしていると思う。瑞雲が湧き上がるような光背にちょうど光が当たり、きらきら金色に光って美しかった。転法輪印(説法印)の釈迦如来坐像も好きな仏様である。前回は、奈良博の『忍性』展でお会いしている。双子のようによく似た仏様(の阿弥陀如来坐像)が九州から来ていらしたことを思い出した。小さな十大弟子立像(鎌倉時代)も面白い。歯をむき出した口元をしっかり作っている。
本堂の前には、花まつりの花御堂が置かれていた。列に並んで、小さな誕生釈迦に甘茶をかける。極楽寺の境内は全面的に撮影禁止のため、写真は自粛。
本堂の脇を通り抜けて裏道に出る。ここから左へ向かうと忍性塔なのだが、その案内板が新しくなっていた。と言っても、私が前回来たのは2012年だから、いつ変わったのか分からないが…。境内も忍性塔も撮影ができないので、いつもこの案内板の写真だけ撮って、記念にしているのである。

しばらく住宅街を歩き、グラウンド(軟式野球をしていた)脇のだらだら坂を登っていくと、開け放たれた門扉が現れる。おじさんが「どうぞ」と招き入れてくれる。ちなみに門扉に取り付けられた案内板は、昔のスタイルだった。

さらに坂を登ると、杉木立に囲まれた平地に出る。緑の垣根で仕切られた一角に忍性塔が建てられている。忍性塔は357センチメートルの石造五輪塔で、とにかくデカい。大きいと分かっていても、あらためて呆れてしまう。私が着いたのは午後1時過ぎで、石塔の前で法会が行われていた。前回来たときも、同じ状況だったことを思い出す。ひとまず参拝者の列に並んで折り目正しくお焼香する。しばらく読経の声を聞きながら待っていたら、やがて法会が終わって、石塔のまわりに入れてくれた。警備の方が先に入って、お坊さんたちが撒いていた散華を拾い集め、参拝客に分けてくれた。「財布や箪笥に入れておくとお守りになりますよ」とのこと。石塔の裏側では、シャガの花が盛りだった。
忍性さんは、むかしから好きなお坊さんだったが、奈良博の展覧会で、詳しく生涯を(筑波山のふもとに滞在したことがあるとか)知って以来、一層、親しみを感じるようになった。極楽寺の裏手まで戻ってきたとき、鎌倉在住の友人とばったり会ってしまったのは奇遇。
このあと、鎌倉国宝館に寄ったことは別稿で。さらに海蔵寺にも寄ったのだけど、海棠の古木は、すっかり樹勢が衰えた感じだった。いつまで花をつけてくれるかなあ。最後に海蔵寺の新しげな花御堂を。
