アンソニー・ボーデインの毒舌と食へのこだわりは『キッチン・コンフィデンシャル』や『世界を食いつくせ!』でお馴染みで、ディスカバリー・チャンネルの『アンソニー・ボーデイン 世界を喰らう』でその飽くなきチャレンジというか、世界各地で美食から悪食までいろんなものを食わされるさまを応援してきましたが、そのディスカバリー・チャンネルの番組の取材で世界中を飛び回らされていたあたりの話を中心に書いたのが本書。
予定していたイベントから食材までがすべてキャンセルになり、番組として山場を作るために無理やり断崖絶壁から海に飛び込まされるあたりから話が始まり、マスコミに出過ぎて破滅したシェフのエピソードを経由し、クリスマス・ディナーの顛末まで、シニカルなウィットとエスプリの効いた皮肉と自画自賛と懺悔の入り混じった食のエッセーや紀行文をまとめた1冊。
世界中を旅していれば飢えた人々にそこかしこで出会い、食材がどこで採れたかなど食べる物があるかないかに比べたらたいした問題ではないと思い知らされ、料理に貢献した人々を讃えるイベントに集まるのは白人ばかりで、実際にレストランの現場を支えるラテン系の姿はどこにもない。そしてグルメ番組で有名になったばかりに、どこでもどいつもこいつもゲテモノを食わせたがり……。
「食について書き続けるのは、ポルノを書くようなものだ」
同じ言葉を繰り返さずに、どれだけ書けるというのだろう?
巻末の「注釈--という名の言い訳」というタイトルの解説が、そのままメイキングのテイスト。テレビ番組で顔を売っているのに、グルメ番組の裏側を書いてしまったらいかんわなー。
そもそも有名シェフが自分の店で料理を作っていると思いこむのが間違いの素なのだし。
【はみだしシェフの世界やけっぱち放浪記】【アンソニー・ボーデイン】【バベルプレス】【あんたたちはテロ戦争を台無しにしている】【ラスベガスをやっつけろ】
予定していたイベントから食材までがすべてキャンセルになり、番組として山場を作るために無理やり断崖絶壁から海に飛び込まされるあたりから話が始まり、マスコミに出過ぎて破滅したシェフのエピソードを経由し、クリスマス・ディナーの顛末まで、シニカルなウィットとエスプリの効いた皮肉と自画自賛と懺悔の入り混じった食のエッセーや紀行文をまとめた1冊。
世界中を旅していれば飢えた人々にそこかしこで出会い、食材がどこで採れたかなど食べる物があるかないかに比べたらたいした問題ではないと思い知らされ、料理に貢献した人々を讃えるイベントに集まるのは白人ばかりで、実際にレストランの現場を支えるラテン系の姿はどこにもない。そしてグルメ番組で有名になったばかりに、どこでもどいつもこいつもゲテモノを食わせたがり……。
「食について書き続けるのは、ポルノを書くようなものだ」
同じ言葉を繰り返さずに、どれだけ書けるというのだろう?
巻末の「注釈--という名の言い訳」というタイトルの解説が、そのままメイキングのテイスト。テレビ番組で顔を売っているのに、グルメ番組の裏側を書いてしまったらいかんわなー。
そもそも有名シェフが自分の店で料理を作っていると思いこむのが間違いの素なのだし。
【はみだしシェフの世界やけっぱち放浪記】【アンソニー・ボーデイン】【バベルプレス】【あんたたちはテロ戦争を台無しにしている】【ラスベガスをやっつけろ】