付け焼き刃の覚え書き

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「ミラー衛星衝突(上)(下)」 ロイス・マクマスター・ビジョルド

2012-03-31 | 宇宙・スペースオペラ
 《ヴォルコシガン》シリーズの邦訳12冊目にして、マイルズ30歳。

 いまだテラフォーミングなかばの惑星コマールで、日照量を増やすためのミラー衛星が破壊された。
 これは事故か、テロか?
 調査のために皇帝直属の聴聞卿2名がバラヤーより派遣されてくるが、その1人は子供ほどの身長しかない年齢不詳の男であり、前摂政の世継ぎだというのだ……。

 仮題だった原題ままの『コマール』の方が良かったよね。これだと、ある意味タイトル詐欺だし。
 ただ内容的には文句なし。むしろ、マイルズが振られたり、左遷されたり、振られたり、陥れられたり、死にかけたり、振られたり、殺されたり……と、鬱展開の多かった途中をすっ飛ばし、『戦士志願』から、そのまま続きで『ミラー衛星衝突』を読んでしまうのも十分あり。あるいは『ミラー衛星衝突』を読んでから『戦士志願』に戻るという読み方もアリだと思います。
 さて、今回登場のヒロインというか、もう1人の主人公エカテリンですが、人妻。子供ありですが、作品中での成長著しく、マイルズへの見方の変化も合わせて、先行き楽しみなキャラです。もっとも、ヴォルコシガン・シリーズのヒロインは誰も彼もが魅力的で、活き活きと活躍し、そして作品終了後は主人公を踏み台にしてさらに上のステージに進んでいってしまうのですが、あの「ふむむ?」のひとことで一押しです。

【ミラー衛星衝突】【ロイス・マクマスター・ビジョルド】【創元推理文庫SF】【テラ・フォーミング】【虐殺記念聖堂】
コメント (2)
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