付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「魔法科高校の劣等生(3)」 佐島勤

2012-03-26 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「魔法とは手段であって、それ自体が目的ではない」
 世界最強の魔法師の1人であり、日本の魔法界を秩序立てて構築した、九島烈老人の言葉。
 能力そのものが強かろうが弱かろうが関係なく、結果を出すのに大事なことは使い方なのだというのは『スレイヤーズ』や『殺戮のための超・絶・技・巧』などでも繰り返し指摘されてきた言葉だけれど、それをいかに見せるかが作者の腕の見せ所です。

 魔法大学に付属する9つの付属高校が集い、それぞれの技量の限りを尽くして魔法勝負を繰り広げる『九校戦』。本来なら魔法の実技が苦手な、二科生である司波達也の出番などあるはずもなかった。
 だが、その達也の技量を一部をうかがい知っただけでも、選手団と生徒会が異例の措置で彼をサポートのエンジニアに抜擢するには十分であり、彼に批判的な者であっても彼の調整したCAD(術式補助演算機)を見れば反論することはできない。
 かくして、今年も総合優勝間違い無しとの下馬評がある第一高校は、万全の体制で九校戦に臨むのだが……。

 学校対抗戦に絡めて、達也の正体にもちらほら小出しに言及していくシリーズ3冊目。
 スポーツから魔法からサバゲーまで学校同士の対抗戦を描いた話はいろいろありますが、ここまで面白く書けた本を読むのは初めて。きちんとした競技のルールが提示され、それに対してそれぞれの得意分野を中心にメンバーが選抜され、さまざまな作戦が練られ、かけひきが繰り広げられるさまは良質なスポーツ小説のよう。ちゃんとメカニックによるCADの調整が実際の試合にどう影響するかもきちんと描写されるので、期待感が膨れあがります。
 その中で、九校戦に参加するどころか一科生にすらなれなかったものの屈折や、九校戦の周囲で巻き起こる雑音などに触れつつ、勢いをつけて上巻の終わり。
 とりあえず、今夜は寝られないようです。

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「太一×ケンタロウ 男子ごはんの本」 国分太一&ケンタロウ

2012-03-26 | 食・料理
 テレビ東京系で日曜昼前にたらたら放映されている「男子ごはん」の本です。
 レシピがメインですけれど、トーク集とかロケ話とか収録スタジオや調理道具の紹介なども満載で、読んで愉しい料理本。しょうが焼き丼とかあんかけオムライスとか、そんなに凝らずに手軽にできそうで美味しそうなレシピが多いですよね。基本メニューにちょいと1アイデアというのが多いので、使い勝手がよいのです。
 料理番組なのにパン焼き器を使おうと思ったら電源に繋がっていなかったとか、おふくろの味を紹介しようと許可をもらいに電話したらはりきって新作レシピを用意してきたとか、トークの再録もたっぷり。

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