
2巻での環の「選ぶ権利も責任を負う義務も--良いと思うか悪いと思うかも、すべて本人にしかわからないもの」という言葉と対になる、紅原円の言葉。
単なるモブキャラとして生きて卒業し、弁護士を目指して進学したいだけの環だったが、気がつけば「吸血鬼の花嫁」となっていた。ついに気づいた自分の恋心と周囲の状況に途方に暮れる環。男尊女卑の吸血鬼の世界では、いずれ強制的に誰かに娶られてしまうだろう。
そして彼女は、自分が死ぬことがこの世界が乙女ゲームとして動き出す鍵となっていることを知らされる……。
ダーク要素満載の乙女ゲーム世界にモブキャラとして配置された地味女子高生が、死亡フラグをへし折って恋愛フラグを回収するまでの物語。めでたく5巻完結。
伏線の回収と設定の説明に若干手間取り、ウェブ版に書き足ししているけれども、最後はやや足早の印象。黄土兄弟や竜輝など環フラグが折れたキャラがそのままフェイドアウトするのは何かもったいないけれど、全体のバランスからすればやむなしかな。
ともあれ、最後まで愉しく読めました。ありがとうございます。
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