「お前の意思を無視し、お前の望まぬ結末を願う者の意思が生まれたとき、世界の天秤がそちらに傾かぬよう強く意思を持てば、きっと今このとき、或いは遠い未来、お前の意思がお前の望んだ世界を作り上げる」ディンナ族の戦王、ローゼンの言葉。
黄金の大樹がそびえ立つ新大陸。その発見に沸き立つ海洋国家スピネイア王国からは、次々に遠征艦隊が船出する。しかし、その侵略は遅々として進まない。現地の部族を騙し、殺戮し続けて、巫女を捕囚としても、森の巨神“タンカムイ”の守りを突破できないからだ。
違法とされる陰陽術の研究を進めていた青年ディエゴは、神聖教会の追っ手から逃れるために遠征艦隊の徴募に応じた。そして巨神を駆る娘、ローゼンと出会うのだが……。
スペインのアメリカ侵略をモチーフに、ファンタジー風のアレンジをして海洋国家と原住民族との戦争を描いた作品。野望に燃える青年たちが葛藤しつつも、ただ前に向かって突っ走る話です。
あとがきにあった、コロンブスが陸奥の国に漂着したバージョンも読みたいです。
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