
草食系長男は、伯爵令嬢に恋を語る。陰気で不気味な顔と声で。
まさに割れ鍋に綴じ蓋。
アゾリアス王国の執政、グリード公爵には黒い噂が絶えなかった。「王国の影の支配者」、「悪魔と契約している」、「犯罪組織を作り、目撃者を消している」などなど。
本当はちょっと顔が怖いだけの善人なのに。
ただ、「王国の影の支配者」というのは一面の真実でもあった。もともと武の国であった王国には有能な官僚が少なく、本当は気弱で繊細な公爵が容貌から誤解され、傷つき、引きこもってしまうと、瞬く間に王国の行政すべてがストップしてしまうのだ……。
善良で、有能で、王国を陰から支え続けている公爵一家を、見た目が怪しいからと陰謀を暴いてやると意気込む人々と、そんなことをして公爵が引きこもってしまったら大惨事と収拾に奔走する国王や大臣たちが交錯するコメディー。
人は見た目が8割で、その8割に裏切られている平凡な家族の物語です。
【悪魔のような公爵一家】【逆又練物】【魔界の住民】【TOブックス】【国家の存亡を賭けた(!?)勘違いファンタジー】【ほのぼの一家が繰り広げる勘違いファンタジー】