付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「巨神計画」 シルヴァン・ヌーヴェル

2017-08-02 | 巨大ロボット
「人間はひとりでは怖がりで、愚鈍で、利己的ですが、充分な人数がまとまれば、それなりにまともになるだろうと思ってるんです」
 アメリカ陸軍三等准尉、カーラ・レズニックの言葉。
 「1人1人はまともでも集団だとダメになる」という言葉はちょくちょく聞きますが、その逆の言葉は案外と新鮮に聞こえました。

 アメリカである日、少女ローズが転落した穴から発見されたのは、巨大な何かの手らしき物体だった。
 それが6000年前に何者かが地球に残していった、人型巨大ロボットの一部と推察したアメリカ政府は、密かに極秘グループを編成し、その回収と解析にあたらせたのだが……。

 地球全土に散らばったパーツを集め、復元し、解析していく一方で、それを巡る個人間、組織間、国家間での軋轢や発生したトラブルを、どうやらチームの中心人物らしいインタビュアーの会話記録を中心に描いていくもの。女性型巨大ロボットが暴れる話というより、それを巡って人間同士が右往左往する話で、たとえば『エリアル』なら「マッドサイエンティストが政府の予算をだまくらかして勢いでゴーサイン出した。予算が膨大でタイヘンだった」みたいに流すところを、地道にインタビューや私的記録や実験記録の積み重ねだけで語っていくというもので、むしろ『ダンガードA』(コミック版)?
 インタビュアーがいったい誰のために、何のために動いているかが、1つのポイントかな。この人、なにかクンパオチキンばかり食べている気がしますが、四川料理の鶏肉とピーナツの炒め物のこと。アメリカンチャイニーズの定番だそうですが、これ美味しいですよね。
 ところで、ミスター・バーンズが言っていた「借り」って、最後の最後のアレのことでしょうか? いったいどこから介入していたのやら。

【巨神計画】【シルヴァン・ヌーヴェル】【加藤直之】【創元SF文庫】【ロボットSF】【クンパオチキン】【自爆ボタン】【ティターン】【帝国】
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