「小さい幸せを積み上げて、さあ、明日もがんばろうって。そういう生き方が、人間として一番正しく美しいんだと、俺は思う」グランドキャニオンの夕陽を受けながら、千晶は夕士にそう語った。
10巻完結した『妖怪アパートの幽雅な日常』の外伝。というより、長谷の起業話とか、画家がアパートから消えた顛末とか、クリとシロの話とか、本編の後日譚を語った中短編集というべきでしょう。本篇完結の余韻に浸りながら、ちょっと「その後のアパートの様子」を覗き見た感じで、ラスベガス編については「ああ、取材旅行は楽しかったですね」という雰囲気。むしろアマゾン篇が見たかった気もしますが、そこは各自の想像に任せるのが正解なのでしょう。
この巻も表紙は今までと同じイラストが入ってますが、アニメ化に合わせて店頭の既刊すべてにコミック版のイラストで帯がかかっています。表紙と同サイズのものをカバーと呼ばずに帯と言い張るのもおかしな気がしますけれど……。
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