付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「威圧感◎」 日之浦拓

2018-07-10 | 異世界転生
「明日はどんな一日になるかな? 今から楽しみだな……」

 存在感の薄さのあまり、運転手に気づかれずに車に轢かれて死んでしまった薄井透は、あの世でも天使たちにスルーされて目の前で門を閉ざされるなど、死ぬ前も死んでからもさんざんなことばかり。それは魂の薄さが理由だと、魂を濃くするために異世界へ元の姿形のまま送られて人生やり直しさせられることとなったのだが、チートな能力は魂の濃さから派生するものなので、魂が薄すぎる透に成長補正も身体強化とかチートな力を与えようとすると存在そのものが消えてしまう。
 せめて、存在感の薄さくらいは何とかしてやろうと神から周囲に対する『威圧感』だけ与えられたのだが、その威圧は日常生活に支障が出そうなくらいのものであり、またその対象は人間やモンスターに限定されなかった……。

 威圧感でゴブリンが怯えて目の前でうずくまっていても、それをあえて殺せない普通の感覚の青年のスローライフ。トマトを育てるのに水を少なくした方が美味くなるとか、潮の流れが強い海で育った魚の方が身が締まっているとか、鉄は熱いうちに叩けとかいうけれど、適度なプレッシャーは何にでも効くらしく、「威圧で野菜が美味い!」とか「不治の病が治りました!」くらいはともかく「頑固な汚れも、つけ置き威圧で驚きの白さに!」……って、威圧感万能だなあ。
 話は面白いけど、イラストレイターは大変だなあと思った作品。ヒロインは猫の獣人なんだけれど、獣寄りなんですよ。獣人といっても普通の人間にケモノの耳や尻尾だけがついたものから野獣が二足歩行したものまでデザインの振り幅が大きいのだけれど、これは髭とか四肢のバランスとかかなり獣寄り。確かに可愛いけれど、肉球の付いた手にペンや食器を持たせたり、手を組ませたりと苦労してるように見えました。

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コメント
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