付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す」 Schuld

2020-06-10 | 異世界転生
「データマンチ最上の瞬間とは何か。
 そりゃ鍛えたデータを叩き付け、相手の『何コイツ』という顔を見た時ですよ」


 TRPGにおいてルールを隅々まで読み込んで、その裏を読み、最適解を導き出し、あくまでルールで認められた範囲内で強力なキャラクターを作るプレイヤーをデータ・マンチキンとかパワープレイヤーなどと呼称するわけですが、そのマンチが異世界に転生してしまいます。

 データ上可能であれば神殺しにさえ興じる効率主義者にして理想主義者「データマンチ」だった前世を持つ、農村の四男坊エーリヒは転生時に授かったキャラビルドの権能を活用して理想の強キャラにならんと画策する。
 頭を捻ってデータを隅まで舐め回し、熟練度をやりくりしながら極悪コンボを模索していくエーリヒだったが、妙に蠱惑的な幼馴染との遊戯やブラコンな妹のお世話をする中、想定よりも早く物語(セッション)が動き出し、大切な者を守るため戦いに身を投じることになる……。

 MMORPGとかではなくTRPG的な世界に転生というのは三河宗平の「マジックユーザー」がありますが、あれよりさらにテーブルトークRPG的であることを意識してる作品です。シナリオが存在していて、それに対してどうプレイするかという、どちらかというと「ゴブリンスレイヤー」に近いかな。なので、ときおり「主人公がその選択肢を選ばなかったらどうなっていたか」みたいなifエピソードや用語集とかTipsなどが挿入されたりしていますが、そのあたりf編集のレイアウトテクニックで読みやすく格好良くなってます。
 長男のイチオシでウェブ版から読み始めてますが、ヘンダーソンスケールとかはやはり書籍の方が分かりやすいですね。 ただ、「ヘンダーソン氏の福音を」のタイトルが従に下がってしまったので他の類書とパッと見で分かりにくくなり、危うく買い逃すところでした。「ゲームプレイヤーが異世界で最強になる」系のタイトルが多すぎです。

【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~】【Schuld】【ランサネ】【オーバーラップ文庫】【異色にして王道の転生譚】【ヘンダーソンスケール行方不明のデータマンチ冒険譚】【小説家になろう】【生命礼賛主義者】【兜割り】【チェス】
コメント
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