時間旅行ジャンルのうち、過去の自分に意識だけが戻るものを「タイムリープ」ものとします。同じように過去の自分に意識だけが転移するものとして「タイムループ」がありますが、「タイムループ」は同じ時間が強制的に繰り返されるもの、「タイムリープ」はやり直しの機会が与えられるものとしています。
そして、最近の傾向だとタイムリープして何をするかというと「人生やり直し」が多いようです。未来人と恋したり世界の危機を救ったりしなくても、時間を遡れば平凡で失敗続きだった自分の人生ももうちょい巧くやれたんじゃないか? 人生2回目ならチートスキルとか現代知識を駆使しなくても、家族関係の修復とか異性との付き合い方くらいならなんとかなるような気がしますよね。あとは少年の身体に大人の経験が入れば無敵です。この場合は社会人としての経験がブラックであればあるほど有効になります。
『時をかける少女』筒井康隆 (1965)
他に誰もいないはずの土曜日の放課後の理科実験室で、中学3年の芳山和子は確かに誰かがいると確信した。そしてガラスの実験機器の割れる音とラベンダーの香り。そのときから芳山和子は時をかけるようになった……。
時を自在に超える能力を身につけた中学3少女が、さまざまな事件に巻き込まれていくサスペンスSFにして青春ラブストーリー。もともと「中学三年コース」に連載していた作品ですが、ドラマになったり映画になったりアニメ化されたりしていますが、角川つばさ文庫で今も入手可能です。
『アゲイン!!』 久保ミツロウ(2011)
友達も思い出も作らず高校の卒業式を迎えた今村金一郎は、その日、同級生の暁と階段から転げ落ち、気づいたら入学式の日へタイムスリップしていた。そこで憧れていた女団長の宇佐美と再び出逢った金一郎は応援団に入団し、宇佐美しかいなかった応援団の建て直しを目指すのだが……。
「週刊少年マガジン」で連載しているのを見つけて「少年誌でタイムスリップもの?」と思った記憶があります。無理ゲーにあがく女団長の痛々しいまでのから廻りっぷりが魅力でした。タイムループもの『僕だけがいない街』の連載がこの翌年から。このあたりからマンガでの時間ものが目立ってきた気がします。
『ウは宇宙ヤバイのウ!』 宮澤伊織(2013)
巨大隕石が地球に落下してくる。なんとかしろと言われても!?……地球が滅亡したと思った次の瞬間、高校生の久遠空也/久遠空々梨はベッドの上で目覚めていた……。……。
ハリイ・ハリソンやキース・ローマーの作品を彷彿とさせるスラップスティックSF。SF関連の小ネタをちりばめつつ、元ネタを知らなくてもついつい笑いながら読んでしまうジェットコースター小説です。一迅社文庫版とハヤカワ文庫版では主人公が男子高校生と女子高生で変わってます。
『アラサーのオレは別世界線に逆行再生したらしい』 翠川稜 (2019)
トラックにはねられて死んだ30歳のサラリーマンは、気がついたら異世界……ではなく自宅で目が覚めていた。15歳のときに住んでいたアパートだ。真崎幸星は高校生時代に戻っていたのだ。しかも母親が再婚して、新しい家族と顔合わせする直前に……。
30そこそこで過労死したアラサー男が高校2年生から人生をやり直す物語。ちょっと気持ちを変えてみたら、ブラックな社会人としての人生経験だって立派な武器になって愉しい人生が待っているのだ。
『陰キャだった俺の青春リベンジ』 慶野由志(2020)
ブラック企業で酷使され続けた新浜心一郎は、30そこそこで身も心もボロボロになって死んだ……と思ったら高校2年生の時代に戻っていた。タイムリープらしい。高校生活は灰色で家族とも疎遠になってしまったが、今の自分ならきっとやり直せるはず。そんな新浜を友人は「異世界で修羅場を切り抜けてきた」みたいだと評した……。
30そこそこで事故死した、コミュ障ボッチで陰キャだったアラサー男が15年前の15歳から人生をやり直す物語。ちょっと気持ちを変えてみたら、ブラックな社会人としての人生経験だって立派な武器になって愉しい人生が待っているのだ。
『俺のクラスに若返った元嫁がいる』猫又ぬこ (2021)
冷え切った関係が嫌になって離婚届を提出した帰りに自動車事故で死んだ黒瀬航平は、気がつけば高校入学の朝にタイムリープしていた。戸惑いながら登校してみれば同級生だった別れた妻の姿もある。しかし、どうやら彼女も航平と結婚していた未来の記憶があるらしい……。
今度こそ幸せな人生を送るためにもお互いに『二度と関わらない』と約束するけれど、本に映画とやることなすこと行くとこ見るものすべてがかぶってしまう2人は一緒にいると楽しいし、居心地がいいと気がついてしまいます。恋人にならなければ、結婚さえしなければ、幸せなままでいられるんじゃないか?
『魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル』太田紫織 (2023)
海外留学までしたピアノでの挫折。さらに交通事故で手を怪我して1ヶ月遅れで日本の中学校に編入ということで、不登校寸前の岬陽葵を救ったのは中学生からは敬遠されている学校近所のハデハデで小うるさいおばあちゃん。けれど、そのアドバイスに勇気をもらってクラスに馴染めた陽葵が、報告するために会いに行こうと思ったら、そのおばあちゃんの家が影も形もなかった……。
珈琲を淹れる4分33秒の間だけ、過去へ飛ばしてやり直しをさせてくれる魔女がいるコーヒーショップを舞台に、家庭内で孤立しつつもそれを誰にも理解してもらえない女子中学生の物語です。
そして、最近の傾向だとタイムリープして何をするかというと「人生やり直し」が多いようです。未来人と恋したり世界の危機を救ったりしなくても、時間を遡れば平凡で失敗続きだった自分の人生ももうちょい巧くやれたんじゃないか? 人生2回目ならチートスキルとか現代知識を駆使しなくても、家族関係の修復とか異性との付き合い方くらいならなんとかなるような気がしますよね。あとは少年の身体に大人の経験が入れば無敵です。この場合は社会人としての経験がブラックであればあるほど有効になります。
『時をかける少女』筒井康隆 (1965)
他に誰もいないはずの土曜日の放課後の理科実験室で、中学3年の芳山和子は確かに誰かがいると確信した。そしてガラスの実験機器の割れる音とラベンダーの香り。そのときから芳山和子は時をかけるようになった……。
時を自在に超える能力を身につけた中学3少女が、さまざまな事件に巻き込まれていくサスペンスSFにして青春ラブストーリー。もともと「中学三年コース」に連載していた作品ですが、ドラマになったり映画になったりアニメ化されたりしていますが、角川つばさ文庫で今も入手可能です。
『アゲイン!!』 久保ミツロウ(2011)
友達も思い出も作らず高校の卒業式を迎えた今村金一郎は、その日、同級生の暁と階段から転げ落ち、気づいたら入学式の日へタイムスリップしていた。そこで憧れていた女団長の宇佐美と再び出逢った金一郎は応援団に入団し、宇佐美しかいなかった応援団の建て直しを目指すのだが……。
「週刊少年マガジン」で連載しているのを見つけて「少年誌でタイムスリップもの?」と思った記憶があります。無理ゲーにあがく女団長の痛々しいまでのから廻りっぷりが魅力でした。タイムループもの『僕だけがいない街』の連載がこの翌年から。このあたりからマンガでの時間ものが目立ってきた気がします。
『ウは宇宙ヤバイのウ!』 宮澤伊織(2013)
巨大隕石が地球に落下してくる。なんとかしろと言われても!?……地球が滅亡したと思った次の瞬間、高校生の久遠空也/久遠空々梨はベッドの上で目覚めていた……。……。
ハリイ・ハリソンやキース・ローマーの作品を彷彿とさせるスラップスティックSF。SF関連の小ネタをちりばめつつ、元ネタを知らなくてもついつい笑いながら読んでしまうジェットコースター小説です。一迅社文庫版とハヤカワ文庫版では主人公が男子高校生と女子高生で変わってます。
『アラサーのオレは別世界線に逆行再生したらしい』 翠川稜 (2019)
トラックにはねられて死んだ30歳のサラリーマンは、気がついたら異世界……ではなく自宅で目が覚めていた。15歳のときに住んでいたアパートだ。真崎幸星は高校生時代に戻っていたのだ。しかも母親が再婚して、新しい家族と顔合わせする直前に……。
30そこそこで過労死したアラサー男が高校2年生から人生をやり直す物語。ちょっと気持ちを変えてみたら、ブラックな社会人としての人生経験だって立派な武器になって愉しい人生が待っているのだ。
『陰キャだった俺の青春リベンジ』 慶野由志(2020)
ブラック企業で酷使され続けた新浜心一郎は、30そこそこで身も心もボロボロになって死んだ……と思ったら高校2年生の時代に戻っていた。タイムリープらしい。高校生活は灰色で家族とも疎遠になってしまったが、今の自分ならきっとやり直せるはず。そんな新浜を友人は「異世界で修羅場を切り抜けてきた」みたいだと評した……。
30そこそこで事故死した、コミュ障ボッチで陰キャだったアラサー男が15年前の15歳から人生をやり直す物語。ちょっと気持ちを変えてみたら、ブラックな社会人としての人生経験だって立派な武器になって愉しい人生が待っているのだ。
『俺のクラスに若返った元嫁がいる』猫又ぬこ (2021)
冷え切った関係が嫌になって離婚届を提出した帰りに自動車事故で死んだ黒瀬航平は、気がつけば高校入学の朝にタイムリープしていた。戸惑いながら登校してみれば同級生だった別れた妻の姿もある。しかし、どうやら彼女も航平と結婚していた未来の記憶があるらしい……。
今度こそ幸せな人生を送るためにもお互いに『二度と関わらない』と約束するけれど、本に映画とやることなすこと行くとこ見るものすべてがかぶってしまう2人は一緒にいると楽しいし、居心地がいいと気がついてしまいます。恋人にならなければ、結婚さえしなければ、幸せなままでいられるんじゃないか?
『魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル』太田紫織 (2023)
海外留学までしたピアノでの挫折。さらに交通事故で手を怪我して1ヶ月遅れで日本の中学校に編入ということで、不登校寸前の岬陽葵を救ったのは中学生からは敬遠されている学校近所のハデハデで小うるさいおばあちゃん。けれど、そのアドバイスに勇気をもらってクラスに馴染めた陽葵が、報告するために会いに行こうと思ったら、そのおばあちゃんの家が影も形もなかった……。
珈琲を淹れる4分33秒の間だけ、過去へ飛ばしてやり直しをさせてくれる魔女がいるコーヒーショップを舞台に、家庭内で孤立しつつもそれを誰にも理解してもらえない女子中学生の物語です。