付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「浅倉さん、怪異です!」 植原翠

2024-07-12 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「あ、面倒くさっ! 命に関わる災害が起きてるのに、まず狩りに行くまでの工程が長い!」
 怪異出現の報告を受けた時からの段取り説明を受けて小鳥遊は頭を抱えた。でも、それくらい慎重にならないと狩る方が危険なのだ。

 日本で発生する年間行方不明者は約8万人。そしてその中の何割かは怪異に喰われているという。
 それ以前から存在していたらしいが、あの疫病の蔓延以降、一気に報告例が増加した。獣や虫の死骸を核に人の澱んだ思いが取り憑き怪異となる。そしてそれはより存在を強固なものとするために、人の姿を取って人間に接近してくるのだ。
 大学生の小鳥遊は、山中に足を踏み入れていく県庁職員の浅倉に声をかけたことからその特殊能力が露見。新型特例災害対策室ことシンレイ対策室の新メンバーとして半ば無理矢理に加入させられるのだが、あくまで一般人の女子大生。怪異の気配を察知することはできてもそれだけで、たびたび怪異に遭遇してはなにもできなくなっては喰われそうになるのだ……。

 野鳥たちの警告を手がかりに怪異に挑む、怪異討伐公務員と民間人バディのホラーミステリ。
 うん。子供はダメだよ、子供は。

 怪異が存在するものと行政が認識して対処を始めているものの、明確に一般公開できる段階になるため官公庁の対策室が場当たり的に対処している現状の物語。へたに公表してもバカにして指示に従わなくて近づいていって喰われそうなのが多いよねーというのが理由。なんか納得。

【浅倉さん、怪異です!~県庁シンレイ対策室・鳥の調査員】【植原翠】【ながべ】【角川文庫】【怪異アクション&ファンタジー&ホラー&ミステリー】【青春ミステリファンタジー】【怪異アクション&青春&ファンタジー】【ウミヘビ】【カモシカ】【スズメ】【クマネズミ】【チャドクガ】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする