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世界にダンジョンが出現するようになって10年。それなりの確度で予報が出るようになってはいたが、世界の各所にある日突然ダンジョンが出現しては、周囲の土地をめちゃくちゃにして住んでいる人たちを消し去ってしまう事件は後を絶たない。
スキルとの相性が悪くて冒険家を引退していた浅蔵豊は、出勤途中にダンジョン生成予報を聞き、通りすがりの女子高生を助けて逃げ出したが間に合わず、愛車もろともダンジョンの最下層まで呑み込まれてしまう……。
23歳サラリーマンの女子高生2人とのダンジョン脱出行。
ウェブ連載版に書き直しちょこちょこ。遭難者たちの痕跡はウェブ版より増えて、意外と細かいイベントとかの手直しが多いです。けれど、導入部は素直にウェブ版ままの方が良かった気がします。ちょっと唐突というか強引に思えちゃいました。
登場するキャラクターはみんな活き活きとして個性的。かといってエキセントリックでもピーキーでもなく、地に足の付いた普通の人々。それが黙々と地上世界を目指します。チート頼みののんきな旅ではなく、ちょっと間違えたら死に直結する世界で、悲壮感に偏ることなく、ひたすらポジティブに、けれども油断することなく進む緩急の付け具合が心地よく、そこに金髪ハーフヒロインの素朴な福岡弁がぴたりとはまるのです。
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