「あなたのお城の小人さん３」 美袋和仁

　海の森の主ツェットの子供らを取り戻すため、キルファン帝国に宣戦布告をしたチヒロたちだが、意外にも帝国はあっさりと非を認めて降伏の文書を届けてきた。しかし、その文書に押された玉璽を見てチヒロの怒りが爆発した。皇帝は、自分ではなく自分が皇位を簒奪した皇女である桜の印で文書を作成していたのだ。
　もはや許さぬと鉄槌を振り降ろさんとした瞬間、彼女らの前に創造神たちが現れて《《これを処分されては困る》》と告げだした。これを失う訳にはゆかぬのだ……と。

　お城の片隅で餓死しかけていた少女の冒険譚『あなたのお城の小人さん』も３巻。小柄な幼女はお城を飛び出し、帝国に宣戦布告し、創造神とも対決しつつ世界の秘密に手をかけます。神々が語らぬ、語れぬこともでも見通し見極めていく、もしかしてこれミステリのクライマックスかという展開で、お話がどんどん大きくなっちゃって、たいへんなのにちゃんと正面から受け止め、跳ね返していきます。

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