「田中家、転生する。7」 猪口

「おじさんはね？　手のひらで転がすのではないての。皆、自ら進んで転がりに来るの。私はただほんの少しだけ、そっと指先で押してあげるだけなの。そうすれば、自分から転がり始めたおじさんは、もう、何もしなくても勝手に転がり続けるわ。その姿がとても可愛いと思わない？」
　聖女ファナあたりがいいそうだけれど、実は前世の田中港が兄の航に語った言葉。よっぽど悪女ですね。

　王都への攻撃はコーメイさんたちの活躍で無事に阻止され、実行役だった聖女ファナらも捕縛されてスチュアート家でちょっとお預かりに。
　しかし、帝国の侵略はまだ終わってはいない。転移陣を使って凶悪な魔物を送り込み、続いて精鋭の軍団が侵攻を開始した。それを迎え撃つのはもはや裸の王様とスチュアート一家しかいなかった……。

　代々辺境を守り続けるスチュワート家にとって、相手を知って対策を立てて反撃して叩き潰すのは得意技だった。
　帝国編がこの巻にて終結。田中家転生の謎とネコたちの活躍の一端も数百年の歴史を超えて明かされることになります。よもや実孫が抱けるかもしれないとは!?というターニングポイントで聖女爆誕の回です。
　特装版は短編小説３篇収録の小冊子付き。ネコたちと戯れるスチュワート家の子供たちのイラストが素敵です。

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