「楽聖少女４」 杉井光

「自分を表現したいとか知ってもらいたいとかそういうんじゃないんだ。ただ単純に、それがいちばん面白くなるんだよ。自分自身ってのは最高の材料なんだ。だから使う。それだけ」
　創作活動において自分自身のことをさらけ出してしまうのは、それだけの理由だと“ファウスト”ゲーテことユキ。

　ベートーヴェンが新たに作曲したのは、「運命」と「田園」の大交響曲の２作品。後世に残る傑作だが、それを演ずることができない。曲に不可欠なトロンボーンは「天使が吹く喇叭」とも呼ばれており、この楽器を使うことは教会から禁止されていて、これを破れば破門や火焙りもあろうと言われていたのだ……。
　でも楽聖ベートーヴェンはそんなことを気にもしない。

「運命など決まっていない方が、いのちは喜びに満ちているのではありませんか」
　悪魔メフィストフェレスの言葉。
　そしてファウストは嘘で現実を書き換える。

　４巻ともなると、この高校の世界史教諭は何者だ!？と思わざるを得ません。今回はキリスト教。毎度毎度、複雑な西欧史の世界を分かり易く面白く紐解いてくれます。
　この世界史講義は、ジャン・Ｖ・デュボア先生による＜歴史と道徳哲学＞講義依頼の感動かも。

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