「ギリギリな彼女（十八才・魔法少女）とギリギリな彼（三十才・童貞）のギリギリな事情」 ごろん

　特定条件を満たして『魔法』の力を得た処女が組合管理のもと魔法少女として、悪の組織と戦う現代日本。地方都市の工場事務員、佐々木彰示は30歳の誕生日を迎えたその日、組合に魔法使いとしてスカウトされる。30才・童貞は魔法使い覚醒の特定条件であり、魔法少女のサポートは魔法使いの役目なのだ。
　そこで相棒となった魔法少女は、おどおどとうつむきがちなサイネリア・ファニーこと綾冶綾18歳。『立派な魔法少女になりたい』と強く願っている綾だが、能力の減退から引退間近で、しかし大した実績も持てていない。
　彰示はそんなサイネリア・ファニーの助けになることを約束するが、その前に立ちふさがったのは悪の組織の女幹部テラコッタ・レディ。正体を隠す装備の手配が間に合わない彰示は、その辺で拾ったポリ袋をかぶると背後からテラコッタ・レディの側頭部を鉄パイプで一撃した……。

「悪の女幹部にも人権があるんです！　鉄管で側頭部を狙うのはダメです！」

　『魔法』の力を得た処女が魔法少女として活躍し、そんな少女らをサポートするのは30過ぎまで童貞を守ることで覚醒した魔法使い。魔法少女と魔法使いがバディとなり、ご町内の平和を乱す悪の秘密結社と戦うという、「ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ」か「県立地球防衛軍」かっていう、ある意味、なれ合いみたいな形で魔法少女と悪の組織が戦っているところにガチ勢の魔法使いジェントル・ササキが乱入する、ギリギリなバイオレンスコメディ。

　無口クール系魔法少女が年齢を重ねてそのまま引退すると単なるコミュ障でしかなくなり、熱血系魔法少女は引退するとモンスタークレーマーになるという分析は納得。

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