付け焼き刃の覚え書き

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「楽園の日々」 アーサー・C・クラーク

2008-07-17 | エッセー・人文・科学
「強制収容所で何が起こっているかは知らなかった。だが、薄々は感づいていたし、わたしの地位にあれば突き止めることができたと思う。そうはしなかったが、そのことで自分を軽蔑している」
 ヴェルナー・フォン・ブラウン。

 クラークが自分が初めてSFに触れたときから晩年までを振り返り、出会った作品や作家や編集者や科学者たちについて語り尽くした1冊。

 餓えたSF作家にとって、超空間はいつも天の賜物だ。それはスイスのアーミーナイフぐらい多くの目的に使える。

 しかし、今では名を知る者もほとんどいないパルプ雑誌のスペースオペラを、いかにもSF者らしく「これは科学的に正しくない」と切り捨てたり、宇宙空間を宇宙服無しで渡るのは不可能ではないと指摘(危険なのは真空でも低温でもなく、空気の欠乏だ)したかと思えば、ラブクラフトの作品群に賛辞を送ったりと、クラークも懐が深いや。 

【楽園の日々】【キャンベル】【ドゥーリトル】【宇宙開発】【ロケット協会】

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