「異世界帰りの勇者が現代最強！」 さめだ小判

　勇者になった森下大樹は魔王を討伐し、冒険の仲間たちと別れを惜しみながら日本に戻ってきた。異世界に転移したときと同じ時間、同じ場所に。しかし、大樹は異世界で身につけた能力がそのまま残っているのに気づいて慌てた。本気で魔法を撃ったら核爆発並の威力なのだ。
　大樹は身につけた力を隠して平穏な日々を送ろうと決めたのだが、実は元の現代でも人知れず妖魔を退治するために陰陽師やらバチカンの能力者たちが戦い続けていて、学園異能バトルっぽいことになっていたのだ……。

　ＧＡノベルの『異世界帰りの勇者が現代最強！～異能バトル系美少女をビシバシ調教することに!?』のコミカライズ。書籍版は購入してなかったけれど、コミックは作者が好きなので購入。異世界帰りの勇者が現代でチート全開し、こっちの能力者はレベルが低いと無双する話は一種の異世界ギャップ。
　異世界に召喚されたが現代日本の魔法使いの方がレベルが高かった『異世界魔法は遅れてる！』の逆パターンだけれど、あっちの世界とこっちの世界で魔法とか科学技術とか料理テクニックとかギャップがあるのはお約束。主人公が周囲の誰よりも何もかも劣っていたら話を作るのが難しいですよね。
　この話のキモは、異世界帰りの最強勇者が常識人なのに対し、現代育ちの異能美少女たちが非常識で傍若無人で性格最悪で主人公に要らない情報を次々に提供して翻弄するところにあるのです。

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