「はたらく魔王さま！（15）」 和ヶ原聡司

「貴様とて千年かそこらは生きているのだろう。その短くはない生の中に、誰の目にも揺るぎない絶対的な幸せと映る出来事などあったか。そんなものは無いと、僕はこれまでの生の中で断言できる。ならば僕にとって幸せとは、あるかも分からないその絶対的な幸せを得るために努力し続けることだ」
　なんというか、「大天使サリエルの飽くなきチャレンジ魂」という感じ。

　ヴィラ・ローザ笹塚から生活の気配が消えた。
　魔王も悪魔も勇者も、誰も彼もがいなくなってしまったのだ。
　愕然とする梨香に千穂はそれだけではないと告げた。天使も大家さんもみんないなくなった、誰も彼もがエンテ・イスラに行ってしまったのだという。
　なぜそんな事態になってしまったのか。
　それはクリスマス・パーティーをどうしようか相談し始めた頃まで遡る……。

　六畳一間が空を飛ぶ？
　いろいろ設定的なものを開示して、いよいよ最終章突入という雰囲気。ちょっとまどろっこしい展開でもあったので、ここからはさくさくいくといいな。今巻の運びなら期待できそうです。

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