付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アラフォー社畜のゴーレムマスター(1)」 高見梁川

2017-08-04 | 異世界転生
「歯を食いしばって理不尽に耐えるのがえらいと思うのは錯覚だ」
 強くなって抗うか、強くなくても抗う方法を探せと松田毅。

 警備会社勤務の松田毅は、社畜の本分を全うして過労死した。
 その松田をショーン・コネリー似の神様は、剣と魔法の異世界へと転生させる。しかし、せめて生まれ変わったらホワイトな会社で穏やかに過ごしたいという松田の願いは、冒険者は自営業だから定時で仕事を終えるも終えないも自分次第と投げやりな結果に。
 それでも、土魔法のチートは手に入れた松田は、最強のゴーレム使いとして異世界の第一歩を踏み出した……。

 魔法が使えるエルフに転生したアラフォー社畜が、従順な“知性ある秘宝”である終末の杖と無邪気なワンコ少女だけを仲間に冒険を繰り広げる異世界ファンタジー。
 話は一見ふんわりしているような異世界転生の定番ストーリーだけれど、会社に酷使され、死ぬまで便利に使われていた前世の経験から、話の運びはハードボイルドです。ちょこちょこある転生復讐譚みたいなのとは違いますが、性格が悪いわけでも悪人でもないけれど、とにかく人を信じない。だから、彼は誰にも裏切られません。パーティを組んで迷宮に潜った相手だろうと仕事の依頼人だろうと、最初から誰も信用していないから。
 常に彼の傍らにいて、彼がとりあえず信用しているのは、彼以外に使い手のいない人格を持ったアーティファクトと彼に命を救われた忠誠心の塊のような狼少女だけという、壊れた男の流浪譚です。

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