「裏稼業転生６」 西の果てのぺろ。

「若、一体何が始まるんです？」
「第三次世界大戦だ」
　映画『コマンドー』から拝借したリューの言葉は、あたりまえだけど部下達には通じない。

　聖銀狼会の参謀として王都進出の絵図面を書き、結果的にリューに叩き潰されてカタギになることを誓わされたラーシュは、誰も自分のことを誰も知らないところで再起を計ることにした。まずはカタギとしてちゃんと学校を卒業することだ。そこで一念発起して国一番の学校、それも絶対に自分の過去を知る裏社会の関係者がいないところとして王立学院の編入試験を受けて見事合格。成績優秀な編入生として王女クラスに割り当てられたのだが、そこはもちろん無事に２年生に進級したリューがいた。関係者どころではない!?
　しかし、リューは山のような問題処理に奔走していた。
　学校には勇者スキルを発現して爵位を与えられて入学してきた勇者がなぜかリューを敵視していたし、商会では他地方の酒造メーカーが参入を画策し、裏社会ではまたぞろ別の組織が蠢き始め、東部では貴族同士の争いが拡大しようとしていた。とにかく兵隊は足りないし、能力のある事務方はもっと足りない。
　ラーシュはまさに飛んで火に入る夏の虫であった……。

　２年生篇の始まり。あらたに入学してきた勇者が周囲に踊らされて王女と親しいリューたちに敵愾心を燃やしていましたが、それはリューにとっては些事。複数の問題が一気に噴出し、港町サウシーで南部での勢力拡大を画策するエリザ連合との全面衝突が始まります。

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