付け焼き刃の覚え書き

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「あいつ」 成田美名子

2007-08-26 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「シャア少佐 シャア少佐 シャア少佐! ほら、早口で3回続けて言ってみな!」

 先日、久しぶりに『あいつ』を読んだら作者の絵柄がすごく変わっていたのに気づいて驚きました。当然といえば当然。25年前の作品ですから。
 めがんてな人と成田美名子の話をしていたら、「無理に日本の話にしなくてもいいのに」という言葉が出てきました。確かに初期の成田美名子の作品といったら異国情緒たっぷりです。日本を舞台にした作品も多いのですけれど、『エイリアン通り』や『CIPHA』などでのアメリカ描写や『みき&ユーティ』の寄宿舎生活というのはあか抜けていて、その印象が強いんですよね。『あいつ』も主人公は天文学を学びに九州の大学に進学したくて、隣に住む「あいつ」らは外国を旅するために貯金をしながら外国語を学ぼうとしていて、生徒会長は医者への道を捨ててSF作家へと歩み出すという、外向きでSF志向の強い人物配置でした。
 で、今は逆に日本そのものの能や和弓の話が続いているので……(でもテーマ的には変わってないと思います。立ち位置が変わってるのかな……)。
 でも、「外国」を舞台にした作品のイメージが強かった人が、「日本」そのものを題材にすると目立ちますよね。同じタイプの代表が渡辺多恵子。出世作『ファミリー!』がアメリカン・ホームコメディで、『ジョゼフへの追想』なんてSFまで描いていた人が、いまや代表作は新撰組の『風光る』。

 新撰組は「男のドラマだ!」と思っている人はびっくりでしょうよ。祇園の本屋には『風光る』のコミックが平積みにされていて、京都市中はその渡辺多恵子のキャラを大きく側面に描いたバスが走り回ってんですから……。
 確かに好きな作品ではあるんですが、このタイトルを見ると瞬間的に山上たつひこの『光る風』を連想して、一瞬ひいてしまいます。今だに。あちらは全体主義と軍事優先の世相に呑み込まれていく主人公の陰鬱で悲惨でグロテスクな物語です。イモムシが出てくるような話。
 なんとかリハビリしたいなあ……。

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