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でも、いざ自分が38歳になってみると、気持ちはまだまだ若々しいのよとナンシー・ロジャーソン。
(作者自身の意見も含めて)「赤毛のアン・シリーズ」(アン・ブックス)にカウントするかどうか異論が多くて微妙な9冊目。モンゴメリが書いていた短編をまとめて「Chronicles of Avonlea」として出版社が売り出した短編集なので、そもそもアンが登場する話がほとんどなく、アンの友だちの登場人物もろくにいなくて、さらにはアヴォンリー年代記みたいなタイトルにしておいて舞台がアヴォンリーではない話もそこそこあるので、アン・ブックスを期待して読む人にはお薦めしません。この青い鳥文庫も「愛と感動があふれてる心あたたまる12の物語」と帯に書いてあるけれど、愛はあるけど愛憎は裏表だし、人間の醜さとか愚かさからも目をそらしてないので、脳天気に笑える話じゃないからね。
ただ、短編が巧いと評価されるモンゴメリなので、20世紀初頭のカナダの田舎を舞台にした短編12編を読むと思えば及第点。「結婚」と「死」と、それを結ぶ「信仰」が三大テーマかなあという感想です。
お薦めは貧しい一人暮らしの老嬢が、音楽教師として赴任した少女をこっそり応援する「ロイド老淑女」。みんなから気位が高くてお金持ちと思われているけれど、実際はその日食べるものにも苦労する身で、それでもプライドが高くて人に見下されたくない老婦人の葛藤と救済の物語。
表紙イラストは、たぶん「縁結び」に登場する大学時代のアンとダイアナ。
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