「(老人が)気になるのは、どんな死に方をするかじゃなく、死ぬまでに何ができるかってことだ」
誰もが死ぬまでに何かをしたいと思っているし、生きていた証拠を残すなら些細なことでも良いことが良いと五代謙三。
五代珠子の祖父は南米にいるとか香港にいるとかいろいろ聞かされていたが、中学生になるまで会ったことはなかった。彼は囹圄の人、つまり刑務所にいたのだ。
その祖父・謙三が出所して戻ってきた。たちまち珠子の祖父は殺人罪でムショ帰りとの噂は広がってしまうのだが……。
死に場所を探しているかのごとく、一本筋は通っているけれど何をするか分からない老人と、日々をなんとなく過ごしていた中学生の少女との出会いと別れの物語。
筒井康隆から筒井らしさを抜いた、筒井康隆らしいお話。確かにジュブナイルで、面白いんだけれど、中学校の夏休みの感想文の宿題でこれを題材にしたら、そりゃ先生困るだろうね……っていうあたりのバランス感覚が筒井康隆らしいかも。
【わたしのグランパ】【筒井康隆】【いとうのいぢ】【文春文庫】【傑作ジュブナイル】【お話シリーズ】【囹圄の人】【地上げ屋】
誰もが死ぬまでに何かをしたいと思っているし、生きていた証拠を残すなら些細なことでも良いことが良いと五代謙三。
五代珠子の祖父は南米にいるとか香港にいるとかいろいろ聞かされていたが、中学生になるまで会ったことはなかった。彼は囹圄の人、つまり刑務所にいたのだ。
その祖父・謙三が出所して戻ってきた。たちまち珠子の祖父は殺人罪でムショ帰りとの噂は広がってしまうのだが……。
死に場所を探しているかのごとく、一本筋は通っているけれど何をするか分からない老人と、日々をなんとなく過ごしていた中学生の少女との出会いと別れの物語。
筒井康隆から筒井らしさを抜いた、筒井康隆らしいお話。確かにジュブナイルで、面白いんだけれど、中学校の夏休みの感想文の宿題でこれを題材にしたら、そりゃ先生困るだろうね……っていうあたりのバランス感覚が筒井康隆らしいかも。
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