付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「夏の鬼 その他の鬼」 早見裕司

2009-04-19 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「運命っていうのは、人間を、流れに乗せて運んでくれるものじゃないの。意味を与えて、やってごらん、っていう……そう、試験ね。人間は、生きている限り、何かの試験からは逃げられないのよ」
 水淵栄子の言葉。

 小学生のときに両親と姉を交通事故で失うことを予知して以来、水淵季里は「常ならざるもの」を見るようになっていた。身寄りのなくなった季里は姉の婚約者であった相沢紘史が後見人となり、今は彼の弟・恭司と共に私立逝川高校へと通うようになっている。
 しかし、入学式の会場で季里は誰かが良くない気を発しているのを感じ取ってしまう。誰かが誰かに強い悪意を放っているのだ……。
 私立逝川高校を舞台にした「不思議な現象」をめぐる季里と友人たちの物語が始まる。

 中学の頃はいじめられっ子で恭司以外に友達らしい友達のいなかった季里にも、少しずつ友人知人が増えていきます。すれ違ってしまったクラスメイトやどうしても理解してもらえない教師もいるけれど、それでも季里は理解し認めてくれる友達や見守ってくれる先生らと助け助けられつつ「力」の使い方とその意味を見つけ出していきます。
 
 NHK教育の番組っぽくSF者の生態をさらしまくった「明るいSFなかま」を読みたさに、『SFマガジン』も買わないのに『SFイズム』を買っていた自分としては、早見裕司はこんなリリカルな話も書けるんだ!?と(失礼ながら)意外な感じがしたものです。
 それ以来、もう何年も季里の物語を追いつづけています。

【夏の鬼 その他の鬼】【早見裕司】【川原由美子】【都市奇譚】【鬼神】【つくも神】【YMO】【沖縄料理】【水淵季里】【精霊海流】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「先生、巨大コウモリが廊下... | トップ | 「俺の妹がこんなに可愛いわ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

学園小説(不思議や超科学あり)」カテゴリの最新記事