付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

★学校対抗戦

2012-03-20 | ランキング・カテゴリー
 学校同士が技量を競い合う話というのは中学高校あたりを舞台にしたスポーツものでは定番なので、それ以外にどんなものがあるのか、ちょっと拾ってみました。

『百合×薔薇』  伊藤ヒロ
 そのうち学校同士の超能力対抗戦になるらしいけれど、今のところ学校をいかに掌握するかという番長マンガ的展開に。

『会長の切り札~一芸クラブに勝機あり!』 鷹見一幸
 市町村合併が進められる中、どの学校が存続するかを学校対抗の合戦で決めようという話。

『ガールズバッドカンパニー』 紅羽一葉
 608人の女子高生が文化祭の開催権を賭けて、サバイバルゲームで死闘を繰り広げる話。

『魔法科高校の劣等生3・4』 佐島勤
 魔法大学付属の9校が、魔法競技でぶつかり合う。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 J.K.ローリング
 クィディッチのワールドカップ、そして百年ぶりに開かれる三大魔法学校対抗試合で……。

 ……あれ? 思ったほどすぐには見つからないぞ。
 サークル対抗とか、生徒会VSクラブとかはちょくちょくあるけれど、柔道やサッカーではなく、魔法や超能力で学校対抗戦って、そんなに多くないのかな。
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「魔法科高校の劣等生(1)」 佐島勤

2012-03-20 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 超能力の存在が公に認められ、その制御システムとして魔法が世界の表舞台に姿を現して1世紀。成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成されている国立魔法大学付属第一高校に2人の兄妹が入学してきた。
 妹は入学生総代を務める優等生(ウイード)の深雪。兄は劣等生(ウイード)の達也。
 しかし、深雪は劣等生の兄に肉親以上の想いを寄せ、兄こそは自分以上に優れた存在なのだと訴える……。

 魔法の成績が人物評価に直結してしまうエリート校で、高度な技能と優れた資質を持ちながら、それが評価システムからは外れているがために劣等生の落胤を貼られた少年の物語。
 能力は高くても一般に評価できない能力なので……というと、ピアズ・アンソニイの『カメレオンの呪文』あたりと同じなのだけれど、特に恨みがましいとか強い向上心を持つとかではなく、最初からひょうひょうとしている兄の達観ぶりが不気味。それを憤る(兄のことについてだけは)熱血漢の妹がいて、うまくバランスがとれてます。
 たまたまテーブルの上に転がっていて、読み始めたら面白くて一気に読んでしまい、入学編の下巻が気になって最寄りの電撃文庫が充実している本屋に走ったけれど既刊が並んでおらず、別の本屋がオープンするまで悶々としたのは最近になかった思い出。
 世界観や設定・用語などの説明が昨今のライトノベルにしては多い気はしたけれど、一般の小説としては普通。この程度が長いと文句たれていてはSFとか歴史小説なんか読めんよね。

【魔法科高校の劣等生1】【入学編(上)】【佐島勤】【石田可奈】【電撃文庫】【異能学園】【生徒会】【風紀委員会】【忍者】【通学電車】【WEB小説】
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「花守り鬼~一鬼夜行」 小松エメル

2012-03-19 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「この世というのは、足りぬことも、行き過ぎることも不味いのだ」
 飛縁魔の言葉。

 御維新の時代といっても、それまで存在していた妖が急にいなくなるはずもない。
 鬼より怖い(顔の)喜蔵が無理やりに連れ出された花見の宴だが、いつの間にかあっちの世界とこっちの世界が混じりだし……。

 1冊まるまる宴会の話。もちろん、合間に登場人物たちの回想が混じるところは、1冊まるまるレストラン最後の一夜の話だった『パリのレストラン』と同じ。
 人間と妖怪が入り乱れ、誰かが席を離れるとそのまま行方不明になり、追いかけた者も戻ってこず……の繰り返し。そしてその中で徐々に語られていく、喜蔵の妹・深雪や未亡人・綾子たちの過去。暇つぶしにちょっかいをかけてくる百目鬼も健在だし、旅の若者・高市の謎も深まるばかりです。
 とりあえず兄妹の絆が強くなって、めでたしめでたし。

【花守り鬼】【一鬼夜行】【小松エメル】【さやか】【ポプラ文庫ピュアフル】【明治人情妖怪譚】【百々爺】【生き人形】【瓢箪】【蝶】【呑み比べ】
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「機械仕掛けの神」 ジェイムズ・R・チャイルズ

2012-03-18 | エッセー・人文・科学
「空飛ぶ機械を発明するのは無だ。こしらえるのは小だ。それを飛ばすことがすべてだ」
 シコルスキーに語ったフェルベールの言葉。

 ヘリコプターの着想の始まりから、飛ばないヘリコプターが続々と開発された試行錯誤の黎明期を経て、それがついに実用化され、普及し、現代に至るまでの物語。

 ヘリコプターというのは、人類がその存在を思いついたのは飛行機に負けず劣らず古いのですね。途中で派生したオートジャイロの方があっという間に実用化され、普及し、あっという間に廃れてしまったというのも栄枯盛衰で印象的なエピソードです。
 数学者としてはアインシュタインに論破されてパッとしなかったけれど、技術者としては成果を残したボテザ。政府の閣僚を父に持ちながら祖父の影響で大空に興味を持った、スペイン人発明家のシエルバ。そのシエルバのオートジャイロ技術に影響を受け、固定翼機の開発を嫌ってナチスににらまれたフォッケウルフ。そのフォッケウルフが開発したヘリコプターで初の本格的大陸横断を成し遂げたハンナ・ライツュ。亡命ロシア人たちと身を削ってアメリカの航空業界に踏みとどまり、ついにはヘリコプター業界の魁となったシコルスキー。16歳のときには一大事業を展開していた若き天才技術者スタンレー・ヒラー……。
 開発史といっても技術史メインではなく、実際の内容はあくまで人物主点。ヘリコプターをテーマにした人物列伝みたいなものです。だから素人でも面白く読めます。
 戦場でヘリコプターが普及したのも、原爆の実用化と小型化により従来型の上陸作戦ができなくなるという認識が前提としてあったというのもチェックしておきたいところです。

【機械仕掛けの神】【ヘリコプター全史】【ジェイムズ・R・チャイルズ】【ブーメラン】【ハワード・ヒューズ】【つむじ風娘協会】【オイルダラー】【不必要な騒音軽減協会】【ドン・シェルドン】【ブラックホークダウン】【パイル・オン】【リンドン・ジョンソン】【朝鮮戦争】【ベトナム戦争】
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「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」 野村美月

2012-03-17 | その他フィクション
 またまたタイトルの長い新刊が出たなあ、どうせタイトルそのままのあらすじだろうと確認するつもりで手に取ったらまさにその通りで、棚に戻そうとして野村美月の新刊と気づいてレジ直行。

「わたしは水虫を飼っていない。ひよこ豆ではなく、レモンだ」

 適当にごまかすつもりで指をさしたら大当たりで、実力以上に高く評価されてしまう……というのは、ファインマンの逸話にありましたね。原爆精製工場だかなんだかの話。そのくだりのホラ話としての面白さはファインマンに勝てず。残念。
 それでも最後まで一気に読んでしまうのは野村美月の巧さか。
 ちょっと昔の西洋っぽい世界の物語。もともとデビュー前の創作メモをベースに、出版社のウェブサイトで公開されていた作品らしいので、最近の作風とは若干異なるかと思いますが、卓球場シリーズが好きな人間なもので少し懐かしくもあり。

【ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件】【野村美月】【karory】【ファミ通文庫】【シャーロック=ドイル】【身代わり】【家庭教師】【天才少女】【腐女子】【マラソン大会】
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「もののけ侍伝々 蜘蛛女」 佐々木裕一

2012-03-16 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 将軍家重の側近である、大岡出雲守忠光が蜘蛛の化け物に襲われた。かろうじて脚の1本を切り落として撃退したものの、いつまた襲ってくるかもしれない。
 そこでさっそく京嵐寺平太郎にお呼びがかかるが、三ツ目入道はお化けは怖いと同行を拒み……。

 将軍の側近、そして大奥と、幕府滅亡の陰謀が矢継ぎ早に仕掛けられてきますが、平太郎が少々情けない。普段はのんびり屋なのはいいけれど、非常時にもうっかり屋さんで良いとこなし。毒にやられながらも出雲守の方が強いんでない?

【もののけ侍伝々】【蜘蛛女】【佐々木裕一】【静山社文庫】【書き下ろし時代小説】【稲生物怪録】【大奥】【開かずの間】【水神】
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「僕は友達が少ない ゆにばーす」 平坂読

2012-03-15 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 『僕は友達が少ない』のアンソロジー短編集。
 いつもの顔ぶれで、いつもと同じようなことをやっている話ばかりなので、逆に違和感ありまくり。ゲスト作家陣があまりに原作ままに書こうとしすぎで似たような話ばかりになり、唯一、これはいつもと違うなと感想をいだいたのが平坂読本人の著というのでは苦笑いするしかありません。
 いつもは出番のない脇役を主役にしたサイドストーリーとか、別の作品の登場人物たちと交錯するような話が1つくらいあればと期待したのだけれど、ちょっと残念。

【僕は友達が少ない】【平坂読】【ブリキ】【裕時悠示】【るろお】【渡航】【ぽんかん⑧】【志瑞祐】【桜はんぺん】【さがら総】【カントク】【MF文庫J】【「はがない」初の公式アンソロジーノベル】
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「まお×にん!(1)」 やますゆきたか

2012-03-14 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 異世界の魔族との間に国交が結ばれ、世界各地に交流のために魔族と人間の共学のモデル校が設けられていた。
 しかし、光二のクラスは少し様子が違っていた。
 クラスにいる魔族はたった1人。しかし、その1人が魔界の姫・プラムルドであり、声をかけるどころか視線を向けただけで殺されそうな殺気を放ち続けていたからだ……。

 人間界を支配しようとする3人の魔族の姫同士の抗争に巻き込まれた、非凡な高校生のハーレム系学園譚。トモちゃんかい!?

【まお×にん!】【やますゆきたか】【かのえゆうし】【講談社ラノベ文庫】【講談社ラノベ文庫新人賞《佳作》】【魔界の姫は友だちがいない】【魔界門】
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「死者の短剣3:旅路」 ロイス・マクマスター・ビジョルド

2012-03-13 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「常に面白いことなんかない。それでも常にやる価値がある」
 面白かろうがなかろうが、やらなくてはいけないことはやらなきゃいかんと、ベリー・クリアリークの父の言葉。

 地の民と湖の民の架け橋になりたいと願っているフォーンとダグだが、それが受けいれられることはなく、2人は湖の民から追放同然に旅立つことになってしまう。
 だが、そんな2人のあてもない旅に、1人2人と招かざる同行者がつきはじめ……。

 迷惑な道連れがどんどん増えていく『戦士志願』っぽい展開ですが、こちらの方がよほど危うく感じられます。
 それは2人が既存の秩序や常識といったものに対して、試行錯誤で立ち向かっているからで、次回完結編でどう収拾がつくのか不安でなりません。

【死者の短剣】【旅路】【ビジョルド】【創元推理文庫】【民族融和】【川下り】【死者の短剣】
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「信長新記(1)」 佐藤大輔

2012-03-12 | 架空戦記・仮想戦史
 16世紀には早くもテューダー朝イングランドが世界帝国への第一歩を踏み出していたが、それに対抗しうる勢力が地球の反対側の島国に存在した。いまだ国家統一を成し遂げていない日本の1勢力に過ぎない織田家である。
 当時の織田家は世界でも有数の経済力を持ち、全西欧のそれを上回る20万人の常備兵力を保有し、その3割は火力装備という世界最強水準にあった。
 しかしそれも先進的な指導者に率いられていてのこと。
 そして、天正10年6月2日未明。その織田信長は、京都四条西洞院・本能寺にて、謀反した明智光秀の軍勢に包囲されていた……。

 佐藤大輔作品の中でわたしが一番好きなシリーズで……もちろん未完。
 未完なのに、タイトルを変え、出版社を変え、何度も刊行されてきたのは、やはり面白くてファンが多かったからだと思います。魅力的な戦国武将は数あれど、歴史のifを考えた場合、いちばん面白いのは織田信長ではないでしょうか。

『こうして、誰もはっきりと口に出せない問題は、誰も口に出さないうちに決められてしまったのである』
……と、腹芸も腹芸。いかにも日本的な羽柴軍の先鋒決定のプロセス。

 織田信長が生き残ってしまったことで変わった歴史を、未来から軍事史研究の視点で振り返りながら綴るという形式。田中芳樹の『銀河英雄伝説』における“後世の歴史家が語る”ってのと同じです。なので、「オーダー・オブ・バトル」「ライヘンバッハ・プラン」とか「ロジスティックス」とか戦国小説には馴染みのない用語がばんばん出ますし、冒頭で日本とイングランドが数世紀にわたって世界の覇権を争う関係になるとはっきり書かれてます。オチが最初に来ちゃったよ!?
 そういうわけで、山岡荘八の歴史小説に親しんだような人が「仮想歴史小説とかいうものを読んでやろう」くらいのつもりで読むとぶっ飛んで、悪口三昧になっちゃう気がします。
 さて、歴史改変ものの醍醐味は、周知の歴史イベントがどのように変わるかという点にあると思います。けれども、信長による壮絶な小田原城攻めとか、佐々成政の凶悪な漸進射撃とか、そういう個々のイベントだけではなく、その変化した結果がさらに未来での変化を促すという変化の連鎖も巧いところです。

『(柴田中央軍の突撃を)「おそらく日本史上最大の歩兵突撃」と記した。
 なぜかと言えば、この関ヶ原以後、日本人は歩兵突撃に徹底的な不信感を抱くようになってしまうからだ。』

 装甲偏重になってしまった日本軍って、見てみたい。

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「かみあり(2)」 染屋カイコ

2012-03-12 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「できるできないじゃなくて、『やるかやらないか』だよ人生」
 怒りのエミちゃん。

 神在月の出雲を舞台にした神さまコメディの2巻目。
 やたら慈悲深くて涙もろく、でも基本的にアクマなアガレス大公爵さんが好き。

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「かみあり(1)」 染屋カイコ

2012-03-11 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「近くの神より遠くのもんた」
 外見は申し分なくかわいいのに、中身が関西系お笑いで残念なヒロイン、千林幸子。

 10月の島根県で起きる事件の数々を、関西出身の女子高生視点で語る物語。
 おだったさんが置いていった3巻が面白く、つい1巻からそろえてしまい、なんか悔しい気分。

【かみあり】【染屋カイコ】【REX COMICS】【出雲大社】【神在月】【ヒヌカン】【火蜥蜴】【ビリケン】【弁天様】【みのもんた】【座敷童】【ガブリエル】【アガレス】【安倍晴明】【東郷元帥】【現人神】【白虎】【観世音菩薩】
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「ヘルたん」 愛川晶

2012-03-11 | ミステリー・推理小説
『家族が誰もいないからこそ、私たちにとって、理想の介護ができる可能性がある』

 神原淳は引きこもりだったが、借金まみれだった両親が行方不明となり、もう20歳を過ぎたともなれば遠い親戚の家に居候もしづらい。
 なんとか、かすかなツテをたどって浅草で一人暮らしをする成瀬老人の居候となるが、そこで出会ったヘルパーは、淳が高校時代に憧れていた不良先輩の中本葉月。
 伝説の名探偵だったという成瀬の家の離れに住みつき、ホームヘルパーの資格も取ろうと勉強を始める淳に、葉月は探偵事務所も始めればいいのよと気軽に言う。ヘルパーで私立探偵だから「ヘルたん」ね、と。

 神田紅梅亭寄席物帳の愛川晶の新作。
 ちゃんと連作ミステリになっているのだけれど、ストーリー的にはいろいろ語られなかった部分があれこれあって、続編の伏線になるのかなと今から期待。高齢者介護の現場の話が、うまいことミステリになっていますが、要介護者にして往年の名探偵である成瀬氏(あたかもクリスタルシンガーのよう)の言動が大きな鍵となり、最後まで読者の関心を引きつけて放しません。
 今や一般文芸の棚も、作家といい表紙デザインといい、判型が大きいだけでライトノベル棚と変わらなくなりつつあります。とはいえ、性とか愛憎にはせきららで、内容的にはけっこうビターテイスト。ラノベとして出したら1つ1つ明かされていく真実が重いです。
 みんな幸せになれると良いね。

【ヘルたん】【愛川晶】【toi8】【中央公論新社】【新機軸の青春ミステリー】【高齢者介護】【本格推理】【左利き】【猫】【アルツハイマー病】【発達障害】【左甚五郎】【入浴介護】【オカミサマ】【ドヤ街】【ツキモノ】【間夫】【税理士】
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「犬とハサミは使いよう(4)」 更伊俊介

2012-03-10 | 本屋・図書館・愛書家
「読者に至る道は1つじゃない、作家の数だけ道があるの」

 変態Mな担当編集である鈴菜に連れられ、新規出店した大型書店に出向いた大人気作家秋山忍こと夏野霧姫と、犬になって甦った読書狂の春海和人。
 ところが、鈴菜が秋山忍の完成原稿を盗まれてしまったことから、アイドル作家の秋月マキシと対決することに……。

 料理マンガや麻雀マンガって、話の中に料理や麻雀のエピソードがはさまっていれば後は何でも良いという風潮があって、真面目に食品添加物や農村の問題を考えるマンガもあれば、ドラム缶でラーメンを作ったりカレーライスに麻薬を入れたり肉の塊を火薬で吹き飛ばして切り分けたと言い張ってみたりするものもあって、麻雀はともかく料理の世界でどうして命がけで勝負する必要があるのかと思わないでもないけれど、こちらはその作家版。
 作家は、自分の書きたい作品を読者に届けるべきなのか。
 作家は、読者の求める作品を書くべきなのか。
 なぜ作家と作家が売上とか賞取りレースで競うのではなく、対峙して執筆活動で対決しなくてはいけないのかわかりませんが……見えざる敵の掌の上で争う秋山忍と秋月マキシは九連訪塔執筆戦に挑むこととなります。

【犬とハサミは使いよう】【更伊俊介】【鍋島テツヒロ】【ファミ通文庫】【不条理コメディ】【読書三昧な犬ライフ】【BL】【十傑集】【料理小説】【覚醒】【九連訪塔執筆戦】【読ペン術】【土下座】【婚姻届】【平らな胸族】
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「はやぶさ 世界初を実現した日本の力」 川口淳一郎

2012-03-09 | エッセー・人文・科学
 小惑星探査機はやぶさを題材とした映画が続々と公開されている時期。ちょうど「はやぶさ/HAYABUSA デラックスBOX」を入手したので、それに合わせて関連書も購入。
 東映系や松竹系やプラネタリウム版をベースにした角川系は未見なのでおいておくとして、20世紀フォックス版の「はやぶさ/HAYABUSA」は良い感じにまとまっていました。ぴあの口コミ満足度や初日満足で好成績だったというのも当然。DVDも売れて欲しいなあ。

 本の方は、はやぶさのプロジェクトマネージャーだった川口教授による、「チーム」の視点から見たはやぶさプロジェクト話で、4本の映画を題材に「このエピソードは映画の創作」「ここは事実のまま」などと指摘しながらプロジェクトチームを率いる上で意識して心がけていたことなどについて語っていきます。
 そして、チームリーダーとしてやるべきことをやりとげた後は神頼み。

「『やれることはやり尽くしたのか』という自己点検の裏返しが、お参りであると理解してください」
 お参りとは、科学技術者が合理的におこなう行為なのだと川口教授。ただし費用は全て私費で自腹だとのこと。

 映画のカットも豊富に挿入されていますが、やはり先行した「はやぶさ/HAYABUSA」のものがいちばん多いですね。

【はやぶさ 世界初を実現した日本の力】【川口淳一郎】【日本実業出版社】【フライバイ】【ポスドク研究者】【イオンエンジン】【イトカワ】【宇宙基本法】【科学と技術】【神頼み】
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