many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

奇妙な論理

2011-08-04 19:49:28 | 読んだ本
マーティン・ガードナー/市場泰男訳 2003年 早川書房・ハヤカワ・ノンフィクション文庫版(全2巻)
文庫本のIの副題が「だまされやすさの研究」、IIの副題が「なぜニセ科学に惹かれるのか」。
原題は「IN THE NAME OF SCIENCE」『科学の名において』。
つい最近読んだばっかりなんだけど。
私の好きな「トンデモ本の世界」の巻末には、「トンデモ本入門のためのブックガイド」というページがあって、その最初にあげられているのが、これ。
>トンデモ本マニアならこの二冊は必読!(略)疑似科学の珍説・奇説を集めた古典的名著。四十年も前に書かれたのに、内容がまったく古くなっていないのには驚く(と言うより、疑似科学の世界のほうが進歩がないだけかもしれないが)。
それだけではなく、この文庫本の巻末の解説にも、と学会会長・山本弘氏が、
>人生を決める本、というものがある。(略)この『奇妙な論理』に出会わなかったら、僕は「トンデモ」という概念に目覚めなかったかもしれないし、と学会なんて活動に手を染めることもなかったかもしれない。
と賛辞を惜しまない。
なかみは、「科学の名を騙る疑似科学を批判的に紹介した古典的名著」(同解説から)である。
原著は1952年のものなので、だいぶ古いが、まあイカレた人の考える学説なんてぇのは、時代を問わず同じようなもんなんで、色褪せはしないけど。
そうそう、どうでもいいけど、「肉体の存在が希薄な“宇宙存在”なるものが交信してきたという例が、そういう異星人が登場する映画『2001年宇宙の旅』が公開された一九六八年以前にあるという話を、寡聞にして私は知らない。(志水一夫)」(トンデモ本の逆襲・文庫版p359)という指摘、ヘンなこと考える人たちの想像力の限界を示しているようで、私は好きだなぁ。
本書に紹介されている説を引用したりすると、頭クラクラしちゃうんで、目次の項目だけ並べておきます。面白そうだと思う人は読んでみればいいけど、読んで怒っちゃダメですよ。
・科学の名において -疑似科学と奇人のプロフィル-
・平たい大地、中空の地球 -地球空洞説の周辺-
・地球をゆるがした怪星たち -聖書の奇跡の「天文学的」裏づけ-
・くだばれアインシュタイン -相対論の揚足とり-
・地質学対創世記 -進化論への抵抗-
・憎悪を煽る人々 -人種差別への「科学的」基礎-
・医療の四大宗派(カルト) -同種療法、自然療法など-
・食物のあぶく流行 -断食からハウザー食まで-
・オルゴン理論 -オルガスムと宇宙論-
・ダイアネティックス -出生前記憶と精神療法-
・ESPとPK -ラインの実験の問題点-
・円盤狂の時代の開幕 -異星人が地球を見張ってる?-
・占い棒(ダウジング・ロッド)と占い振子 -地下水や石油、病気や性別もピタリ-
・生命をつくり出す人々 -現代のホムンクルス-
・ルイセンコの勝利と敗北 -科学が権力にすり寄るとき-
・アトランティスとムー -「失われた大陸」の魔力-
・ピラミッドの神秘 -数字が未来を予言する-
・奇跡の医療機械 -えせ医師たちのボロもうけ-
・めがねを捨てろ! -オルダス・ハクスリーもだまされた近眼治療-
・奇妙な性の理論 -男女児の産み分け、若返り、保留性交など-
・一般意味論とサイコドラマ -精神治療のわき道-
・骨相学から筆跡学まで -性格診断のいろいろ-
コメント
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