many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

遠い太鼓

2011-08-16 15:37:19 | 村上春樹
村上春樹 1990年 講談社
週末に仕事で出かけていくのに、本を持って行って、飛行機のなか、電車のなか、夜寝る前に読む。朝、目が覚めるのが早過ぎちゃったときも(6時に起きりゃ用が足りるのに、5時前に目が覚めたりする)、しかたないんで寝そべったまま本を読む。
先週は、文庫本一冊と新書一冊と単行本一冊持ってた。そのぶん荷物が重くなるけど、しかたない。
読んだことあるの二冊と、初めて読むの一冊。
読んだことあるのの読み返しのひとつが、これ、村上春樹の、ヨーロッパを長期にわたって旅行していたときのスケッチ。
んー、村上春樹の小説を順に読み返していくつもりなんだけど、そのあいだに小説以外に出た本も、やっぱなるべく順番のなかに入れてやって、読んでいきたいんで。
あと、この秋に数日とはいえ、どっか海外行こうと思ってんだけど、全然やる気が出てこないんで、なんか読んだら、興味がわくかなって思ったのもある。
村上春樹氏は、1986年秋から1989年秋まで、ここに書かれてるような海外生活をしてて、その間に「ノルウェイの森」と「ダンス・ダンス・ダンス」を書いたそうな。
この本を最初に読んだときのことを私はもう全部忘れちゃってる。
で、舞台は主にイタリアとギリシャなんだけど、どうしてどうして、これがなかなか、いろんなトラブルがあって、私を海外旅行にいざなうって感じぢゃない。逆に、イタリアだけは行きたくないなーって思っちゃった。
まあ観光旅行と、その土地で長く生活することは違うだろうけど、
世界は原則的にはそのトラブルの質によってアイデンティファイされる。そして我々はたとえどこにいようと、そのトラブルとともに歩み、そのトラブルとともに生きていくしかないのだ。そういうこと。
ってクールな結論が出されています。
それはそうと、ひさしぶりに(実に久しぶりに)読み返してみたら、全体的にトーンが暗い章が多い。
やむにやまれず(?)日本を離れて、長編小説を書く毎日が大変だからかもしれないけど、そんな感じもまた、私を旅に興味持たせることになんなかった要因のひとつ。
(だから、勝手にヘンな期待しないで、ふつうのガイドブックを読めって、俺。)
そのなかでも、「南ヨーロッパ、ジョギング事情」って一節は、なんか例外的に(?)明るく面白かった。ギリシャの田舎では、ジョギングって行動が理解されなくて、道で呼び止められて質問されちゃったりとか、走ってる途中で犬と対決したりとかって話。
旅に出て、その町を走るのは楽しい。時速十キロ前後というのは風景を見るには理想的な速度だろうと僕は思う。(略)知らない土地を走るのはとても心愉しいことなのだ。まるで買ったばかりのノートの一ページめを開いたときのように。
なんてありますが、そういえば私も、若いころは週末の仕事でどっか遠くへ行くと(国内だけどね)、夕方に走ったりしてたんだけどなー。また走りたいって気持ちが起きてくるかどうか、自分でもまったくわからない、今は。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする