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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

幸福な遊戯

2015-09-17 19:48:23 | 読んだ本
角田光代 平成15年 角川文庫版
前回のヤマザキマリさんの文庫の解説が、角田光代さんだったので、そこからつながり。
角田光代さんの名前は、なんだかRCサクセション関係で、どっかに目に入ったんだと思うが、小説読んだのはこれだけかな。
1991年に単行本が出たらしいけど、私は文庫になったのをたまたま見かけて買ったんではないかと。
短編が三つ入ってる。
「幸福な遊戯」は、新人文学賞受賞したデビュー作だそうで。
語り手の「私」ことサトコと、大学四年間のクラスメイトだった立人と、立人の高校の同級生だったハルオの3名が、庭付きの木造一軒家で共同生活をすることにした、家賃十万を割り勘、日当たりのいい部屋のサトコが千円だけ多く払う。
週三回大学にいくサトコと、バイトしながら大学院に通う立人と、夜バイトに行くハルオで、生活はばらばらなようでも、顔をそろえる時間も多かったし、家事も適当に役目分け合ってたりして、なかなか居心地がよかった。
けど、ちょっとしたことをきっかけに、最初にハルオが、そのあとで立人がこの家を出て新たな道に進むことを選択する。
「無愁天使」は、二十歳くらいの女性の語る話で、三人家族なんだけど父と妹はすでに家にいなくて、その家のなかは床が見えないくらい服とか家具とかとにかく物が散乱してて、なにか壊れちゃってる状態。
経済的に苦しくなったんで、風俗で働くことにしたんだけど、そこで妙な老けた客と出会い、嘘と本当が混じったような身の上話をすることになる。
「銭湯」は、二十三になる八重子の話。学生のときから劇団に所属してて、就職しないで芝居をつづけて、好きなように生きると親にも宣言してたけど、やっぱ小さい会社に就職したが、親にはそのこと言わずに架空の日々を手紙で報告してたりする。
会社ではヒステリックな先輩女性社員にこまかいことばかりについて説教され、銭湯にいくと家族や孫について同じ話ばかり長く繰り返すことで周囲にも嫌われている老婆につかまっちゃったりする。みんなどうしてこうなのかねえと、他人のことをみると思うけど、自分もまあいろいろある。
うーん、ひさしぶりに読み返してみたけど、どれも私には何かピンとくるものがないなあ、やっぱり。ちょっと私にはわからない感覚がメインになってる気がする。

コメント
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