E・S・ガードナー/宇野利泰訳 1985年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
スペンサーシリーズといっしょで遠距離移動の退屈な時間に読む、ペリイ・メイスンシリーズ、1961年の作品。
原題は「THE CASE OF THE RELUCTANT MODEL」、あつかいにくいっていうのは、操作しにくいってよりも、乗り気ぢゃない、渋々の態度ってこと?
メイスンのとこに最初にきた依頼人は、画商のひとりで、自分が富豪に売った絵を、べつの画商でインチキな野郎がニセモノだと言っているので、名誉棄損で訴えるんだという。
メイスンは、そんなことおよしなさいと言って、自ら訴えるとスキャンダルに巻き込まれて不利になるから、絵を買った富豪に訴訟を起こさせたほうがいいとアドバイスする。
ところで、問題の絵を偽作よばわりしたのを証言できるのは、ひとりの若い女性だけ、このブロンドで青い眼でスタイルがよい画学生が、もとはモデルしてた、あつかいにくいマキシーヌ。
もっとも最初は、メイスンの事務所にきて筋書きとおりに宣誓供述書をつくるのに協力したりしてくれてるんだけど。
トラブルがこんがらがってきて、もしかしたら富豪と画商の裁判の行方があやしくなるかもってときになって、理由は言えないけどこの土地を離れなければならない、なんてメイスンを裏切るようなこと言いだす。
そんなことでゴタゴタしてるうちに、彼女のアパートでポケットに百ドル紙幣をいっぱい詰め込んだ男の死体が転がってるのを、メイスンと秘書のデラが見つける破目になってしまう。
すぐに元モデルのマキシーヌは殺人容疑で捕まってしまうが、最初に名誉棄損の相談にメイスンのところへきた画商は、マキシーヌの弁護をメイスンに依頼する。
かくして、いつものように状況は圧倒的に不利ななかで、殺人事件の予審が始まって、メイスンは反対訊問でがんばることになる。
一方で、殺人の背景にからんでくる絵画の問題についても、模写・偽作の達人であるビート族の男が依頼を受けて絵を描いたことがわかったりして、なにが本物でなにがニセモノだったのか話が複雑になってくる。
かくして、メイスンは「ぼくが帽子のなかから、肥って元気のいいウサギでもとりださないかぎり、判事はマキシーヌを公判にまわしてしまうだろう。しかし、ぼくはもう一歩もあとへひかないよ。(略)ぼくの策戦としては、暴れまわって、さわぎをいよいよ大きくし、だれがだれを、どんな理由で起訴しているのか、見当もつかぬような状態にしてしまうことにあるんだ」とか言って、常識では考えられない、予審で被告を証言台につかせるという禁じ手を使って勝負する。
スペンサーシリーズといっしょで遠距離移動の退屈な時間に読む、ペリイ・メイスンシリーズ、1961年の作品。
原題は「THE CASE OF THE RELUCTANT MODEL」、あつかいにくいっていうのは、操作しにくいってよりも、乗り気ぢゃない、渋々の態度ってこと?
メイスンのとこに最初にきた依頼人は、画商のひとりで、自分が富豪に売った絵を、べつの画商でインチキな野郎がニセモノだと言っているので、名誉棄損で訴えるんだという。
メイスンは、そんなことおよしなさいと言って、自ら訴えるとスキャンダルに巻き込まれて不利になるから、絵を買った富豪に訴訟を起こさせたほうがいいとアドバイスする。
ところで、問題の絵を偽作よばわりしたのを証言できるのは、ひとりの若い女性だけ、このブロンドで青い眼でスタイルがよい画学生が、もとはモデルしてた、あつかいにくいマキシーヌ。
もっとも最初は、メイスンの事務所にきて筋書きとおりに宣誓供述書をつくるのに協力したりしてくれてるんだけど。
トラブルがこんがらがってきて、もしかしたら富豪と画商の裁判の行方があやしくなるかもってときになって、理由は言えないけどこの土地を離れなければならない、なんてメイスンを裏切るようなこと言いだす。
そんなことでゴタゴタしてるうちに、彼女のアパートでポケットに百ドル紙幣をいっぱい詰め込んだ男の死体が転がってるのを、メイスンと秘書のデラが見つける破目になってしまう。
すぐに元モデルのマキシーヌは殺人容疑で捕まってしまうが、最初に名誉棄損の相談にメイスンのところへきた画商は、マキシーヌの弁護をメイスンに依頼する。
かくして、いつものように状況は圧倒的に不利ななかで、殺人事件の予審が始まって、メイスンは反対訊問でがんばることになる。
一方で、殺人の背景にからんでくる絵画の問題についても、模写・偽作の達人であるビート族の男が依頼を受けて絵を描いたことがわかったりして、なにが本物でなにがニセモノだったのか話が複雑になってくる。
かくして、メイスンは「ぼくが帽子のなかから、肥って元気のいいウサギでもとりださないかぎり、判事はマキシーヌを公判にまわしてしまうだろう。しかし、ぼくはもう一歩もあとへひかないよ。(略)ぼくの策戦としては、暴れまわって、さわぎをいよいよ大きくし、だれがだれを、どんな理由で起訴しているのか、見当もつかぬような状態にしてしまうことにあるんだ」とか言って、常識では考えられない、予審で被告を証言台につかせるという禁じ手を使って勝負する。