中沢新一 2005年 講談社
『カイエ・ソバージュ』を読んで、また中沢新一に興味もっている昨今なのだが。
これは夏になる前くらいに買った古本で、最近になってようやく読んだ。
『俳句の海に潜る』のときに、アースダイバーという言葉が出てきてて、気になってた。
縄文時代の東京は、フィヨルド海岸風に、海の入り江が複雑に入り込んでた土地だったと。
で、その地図をもって東京を見てみれば、古代に陸地が岬として海に突き出してた場所に、古墳とか神社とか寺とかが昔から建てられたと。
で、いまもそういう場所には特別なものがあって、たとえば、
>東京タワーといい、赤坂といい、神宮の森といい、電波塔の立つところは、ほぼ例外なく縄文の聖地のある場所だ。(略)
>人はいいかげんな場所に、電波塔を建てたりはしないものだ。小高い丘があったから電波塔が建てられたわけではない。そこが洪積台地が海にふれている岬だったから、まずたましいを他界に送るための宗教的な装置が、縄文人たちによってつくられ、しばらくするとこんどはその古い装置の上に神社や寺が建てられた。そしてふしぎなことに、現代人はそのような場所ばかりを選んで、電波塔を建てたのである。(p.111)
ということらしい。
↑これが巻末についてる「アースダイビングマップ」。白っぽいのが洪積層、青っぽいのが沖積層。
>つまり、現代の東京は地形の変化の中に霊的な力の働きを敏感に感知していた縄文人の思考から、いまだに直接的な影響を受け続けているのである。(p.15)
だなんて言うんだが、いいねえ、そういうのは嫌いぢゃない。
どっちかっていうと、そういう感性なくなっちゃうほうがヤかなという気がしないでもない。
一神教と資本主義の世界観みたいなのよりは、日本土着の精神がどっかに残ってるってほうが、なんとなく居心地がよさそうな感じがする。
それにしても、私は東京の地理には詳しくないんだけど、こうやって地図をみてみると、なるほど坂が多いなってあらためて認識させられる。
どうでもいいけど、土地の形状とは関係なくて、
>資本主義は象徴が嫌いだ。象徴は高次元的に、自分の中に宇宙を閉じ込めている。それだと、商品や情報にならないというので、資本主義はもっと根も葉もない記号のほうを愛するのだ。(p.66)
ってのが、読んでてふと気になったフレーズのひとつだったりする。
コンテンツは以下のとおり。
プロローグ 裏庭の遺跡へ
第1章 ウォーミングアップ 東京鳥瞰
第2章 湿った土地と乾いた土地 新宿~四谷
第3章 死と森 渋谷~明治神宮
第4章 タナトスの塔 東京タワー
異文/東京タワー
第5章 湯と水 麻布~赤坂
第6章 間奏曲 坂と崖下
トーキョーダイビング(フォト・ギャラリー)
第7章 大学・ファッション・墓地 三田、早稲田、青山
第8章 職人の浮島 銀座~新橋
第9章 モダニズムから超モダニズムへ 浅草~上野~秋葉原
第10章 東京低地の神話学 下町
第11章 森番の天皇 皇居
エピローグ 見えない東京
『カイエ・ソバージュ』を読んで、また中沢新一に興味もっている昨今なのだが。
これは夏になる前くらいに買った古本で、最近になってようやく読んだ。
『俳句の海に潜る』のときに、アースダイバーという言葉が出てきてて、気になってた。
縄文時代の東京は、フィヨルド海岸風に、海の入り江が複雑に入り込んでた土地だったと。
で、その地図をもって東京を見てみれば、古代に陸地が岬として海に突き出してた場所に、古墳とか神社とか寺とかが昔から建てられたと。
で、いまもそういう場所には特別なものがあって、たとえば、
>東京タワーといい、赤坂といい、神宮の森といい、電波塔の立つところは、ほぼ例外なく縄文の聖地のある場所だ。(略)
>人はいいかげんな場所に、電波塔を建てたりはしないものだ。小高い丘があったから電波塔が建てられたわけではない。そこが洪積台地が海にふれている岬だったから、まずたましいを他界に送るための宗教的な装置が、縄文人たちによってつくられ、しばらくするとこんどはその古い装置の上に神社や寺が建てられた。そしてふしぎなことに、現代人はそのような場所ばかりを選んで、電波塔を建てたのである。(p.111)
ということらしい。
↑これが巻末についてる「アースダイビングマップ」。白っぽいのが洪積層、青っぽいのが沖積層。
>つまり、現代の東京は地形の変化の中に霊的な力の働きを敏感に感知していた縄文人の思考から、いまだに直接的な影響を受け続けているのである。(p.15)
だなんて言うんだが、いいねえ、そういうのは嫌いぢゃない。
どっちかっていうと、そういう感性なくなっちゃうほうがヤかなという気がしないでもない。
一神教と資本主義の世界観みたいなのよりは、日本土着の精神がどっかに残ってるってほうが、なんとなく居心地がよさそうな感じがする。
それにしても、私は東京の地理には詳しくないんだけど、こうやって地図をみてみると、なるほど坂が多いなってあらためて認識させられる。
どうでもいいけど、土地の形状とは関係なくて、
>資本主義は象徴が嫌いだ。象徴は高次元的に、自分の中に宇宙を閉じ込めている。それだと、商品や情報にならないというので、資本主義はもっと根も葉もない記号のほうを愛するのだ。(p.66)
ってのが、読んでてふと気になったフレーズのひとつだったりする。
コンテンツは以下のとおり。
プロローグ 裏庭の遺跡へ
第1章 ウォーミングアップ 東京鳥瞰
第2章 湿った土地と乾いた土地 新宿~四谷
第3章 死と森 渋谷~明治神宮
第4章 タナトスの塔 東京タワー
異文/東京タワー
第5章 湯と水 麻布~赤坂
第6章 間奏曲 坂と崖下
トーキョーダイビング(フォト・ギャラリー)
第7章 大学・ファッション・墓地 三田、早稲田、青山
第8章 職人の浮島 銀座~新橋
第9章 モダニズムから超モダニズムへ 浅草~上野~秋葉原
第10章 東京低地の神話学 下町
第11章 森番の天皇 皇居
エピローグ 見えない東京