many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

39階段

2018-12-15 18:03:35 | 読んだ本
ジョン・バカン=小西宏訳 1959年 創元推理文庫版
ちょっと前に、テレビで『三十九夜』って1935年の映画を観て、むむむ、なんだこれはと思い、原作の小説があると知って、読んでみたくなった。
先月、神保町まで行って、神田古本まつりの期間だったが、関係なくふつうに店舗内で探し出したのは1967年11版の文庫、見つけることができてとても満足。
原題「THE THIRTY-NINE STEPS」、1915年の刊行だという、百年以上前か、第一次世界大戦やってたってか、なんかそう思うとすごいな。
主人公の「僕」リチャード・ハネーは37歳の鉱山技師。6歳で父につれられスコットランドをはなれて以来、実にひさしぶりにアフリカからイギリスに帰ってきたんだが、おもしろいことはなく、すぐ退屈してしまってた。
そんなとき、同じアパートにいる謎のアメリカ人に見込まれて、なんでもギリシアの首相がロンドンに来るとき暗殺される計画があるなんて秘密情報を教わってしまう。
で、そのアメリカ人が殺されてしまい、その意志をついでイギリス政府に情報をとどけようとするんだが、ドイツのスパイらしき勢力に狙われる危険のなかに飛び込むことになる。
あの手この手で逃走したり、変装して敵を欺いたりで、シロウトの巻き込まれとは思えない、けっこう楽しそうなスパイ活動ぶり。
アメリカ人の残した手帳の数式暗号も解読したんだけど、そこに六回ほど括弧つきで出てきた「三十九段」という謎の文句が、事件の最後の鍵となる。
ストーリーもおもしろいんだけど、巻末解説読んでおどろいたのは、作者のバカンって最後はカナダ総督をつとめた偉いひとだったってこと。趣味でこれだけのものが書けちゃうのは、すごいねえ。
コメント
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