岡井隆・馬場あき子・永田和宏・穂村弘選 2013年 文春新書
副題は「近現代短歌ベスト100」。 なんとなく丸谷才一のあとででも読もうと思って買った古本なんだけど、撰者に穂村弘の名前がなかったら買わなかったと思うが。
「はじめに」によれば、「文藝春秋」の創刊九〇周年記念として2013年に企画されたものらしい。
集められたのは、近現代ということで、明治から昭和戦前までが五十人、戦後から五十人、明治天皇から穂村弘までの百人。
第二章の座談会で岡井隆氏がいうには、百人の人選については「プロの歌人なら誰が選ぼうと九五パーセントは一致する」ものらしい、そうなんだ。
で、撰者四人が、二十五名ずつ担当になって歌を選んだそうだが、ふつうこういう撰集は一人が選ぶものだけど、それはそれで多彩でいいのではないかというスタンス。
でもねえ、一首あたり見開き2ページで、右に歌人プロフィールと一首だけ、左に短い解説と同じ歌人のその他の歌二つ、っていうつくりは、丸谷才一のを読んだあとだと、なんかありきたりでつまらんなあという気になる。
しかも、選ばれた歌の表記が、大きめな活字で、漢字だろうが仮名だろうが、句読点やスペースあろうが、なんでも一行あたり十七文字って書き方なんで、句切れとか関係ない字の並びで、なんか読みにくい。作者本人が改行して書いたもの以外は、すらっと一行にしてくれたほうが短歌らしくて見やすいと思うんだけど。
あと、百首の並べ方もねえ、歌人の生年順だって。明治天皇が最初で穂村弘が最後って、そこはなんとなくいい感じがするんだけど、あとの中にあるのは題とかつながりとかなんもなしの作者生年順ってどうなの、って気がする。
肝心の歌については、特に感想なし。