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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

あわてた人魚

2019-09-08 17:03:42 | 読んだ本

E・S・ガードナー/高橋豊訳 一九八五年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
きのうから反対訊問つながり、というわけでもないが、疲れてたり集中力なかったりしてむずかしいものは読めそうにないときでもスラスラスラと読めちゃう、ペリイ・メイスンシリーズ。
原題「THE CASE OF THE NEGLIGENT NYMPH」は1950年の作品。
ふるい目録だと、「なげやりな人魚」って題になってたりする、これは改訳版らしい。
んー、辞書どおりの意味だと、怠慢な水の妖精ってとこなのかな、まあどうでもいいが。
なにが人魚かっていうと、メイスンの依頼人が海から現れるとこから始まるからで。
別件の法廷闘争にそなえて、メイスンは夜の海にひとりカヌーを浮かべて、ある島にある屋敷を見張ってたんだが。
そこへ裸で泳いできた金髪で美貌の女が、島にあがってドレスに着替えて家のほうへ行くという場面を目撃しちゃう。
なんだろね、この時期のこのシリーズって、ヒロインのこういう登場のしかたが多いような気がする、非常階段をきれいな脚の女が降りてくるとか、読者サービスですかね、いいねえ。
で、しばらくすると、女は追っ手に追われて逃げてくる、そして海に飛び込んで逃げるんだけど、そのときメイスンはカヌーに上げてやってかくまうことにする、常に女性の味方である騎士道的弁護士、そのときは名前も告げずに別れるんだが。
女が盗ってきたのは、島の持ち主の過去の犯罪を告発する手紙だったんだけど、獲られた側は彼女が五万ドル相当の宝石を邸から盗んだと告発する。
逮捕された彼女は、メイスンに弁護を依頼する、メイスンはカヌーで逃がしてやったことがそのうち明るみに出るかもしれないんで、もうのっぴきならないからどこまでも付き合うしかないと覚悟して依頼に応じる。
そんなこんなしてるうちに、いつものとおり殺人事件が起きて、彼女が銃撃した犯人だってことにされて裁判が始まる。
もちろん、いつもどおり不利をくつがえして最後はメイスンが勝つんだけど。
彼女が手紙を盗みに入った夜に、追いかけるときに放たれた犬、訓練されてて敵には獰猛で普通のひとには手に負えない犬がいたんだけど、その犬がいまはどこにいる、ってメイスンの反対訊問が意外と功を奏するのが印象的。

コメント
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