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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

描きたい!!を信じる

2021-07-10 18:57:35 | 読んだ本

週刊少年ジャンプ編集部 2021年4月 集英社
サブタイトルは「少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方」。
どこで見かけたんだったか、きっかけ忘れたが、気になったんで出たばかりの新しいとこで買った本。
帯とか裏表紙に「マンガ家になりたい人へ」とあるが、なにもマンガ家になろうとは思ってないが。
その裏表紙に、
>週刊少年ジャンプ編集部が「何も知らないところから、マンガを楽しく描いて上手くなる」ための一冊を、本気で作りました。(略)決定版「マンガの描き方」本!!
ってあるように、内容としてはそういうこと。
いままで「ジャンプ」に関する本って、なんか昔のこと振り返るようなものばっか読んできたような気がするから、現在の最新の状況はどうなってんのかなってのも、ちょっと気になったとこではあったし。
体裁としては、マンガ家志望の15歳男子高校生が持ち込みにきて、そこで編集部のひとが疑問にこたえたりアドバイスしたりという形をとってんだが、いちいち強調したいことが太字にしてあるとこ妙に多いのがマンガっぽいといえなくもない。
あと、やっぱフリガナの多さね、目がちかちかしかねないほどギッシリ振り仮名がある、そういえば、子どものころ漢字が読めるようになったのは「ジャンプ」とかマンガのフリガナのおかげだったかもしれない、と思い出した。
で、登場人物の高校生は「ジャンプ秘伝のマンガの教科書」みたいなものを期待してくるんだけど、「漫画の描き方には唯一絶対の『正解』はない(p.25)」ってさとされる。
どうやったら上手な絵が描けるかってテクニックとかよりなによりも、「好きなものを描く。描けることを描く(p.27)」、「『これが好き!』『これが描きたい!』に勝る武器はない(p.35)」ということが大事だ、って第1章で説くのがメインテーマみたいになってます。
それと、第4章で「物語のピリオドを打てば打つほどマンガはうまくなる(p.115)」として、とにかくたくさん完成させることの重要性を説明してるのも参考になりますね。
第5章、第6章の具体的なツールの使い方なんかよりも、第3章のジャンプ作家アンケートが、すごく興味深い。
「Q1.漫画を描き始めた頃に一番知りたかったことはなんですか?」から、「Q13.読み切り漫画を描く上で、参考にしていたものはありますか?」までの13問に、16人が答えている。これはスゴイ、こんな貴重な資料はないんぢゃないかと思った。
そんなこといって、残念ながら私は最近の「ジャンプ」読んでないから、だれがどんなもの描いているのか具体的イメージないんだけど。
あと、「新人作家さんによく聞かれる質問に答えるコーナー」ってのもおもしろいと思うんだが、それのラストに「この本に書かれていることは、どれくらい守ったほうがいいのでしょうか?」ってのを置いて、「ぶっちゃけ全部無視してもオッケー(p.171)」って書いてる身も蓋もなさがいい。
やっぱ、好きなことを好きなように描け、ってことか。
コンテンツは以下のとおり。
第1章 技術論の前に「描きたいもの」を育てる
第2章 2ページ漫画を描こう
第3章 ジャンプ作家アンケート
第4章 悩んだら「やれるところから、好きなように」に戻ろう
第5章 デジタル作画のコツ――ミウラタダヒロ先生に訊く!
第6章 アナログ作画のための道具選び――四谷啓太郎&田代弓也両先生が語る!

コメント
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